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2011年7月14日10時45分
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「シトウレイのfun! fun! fashion!」

パリ・オートクチュール 「日常の中の非日常」

シトウレイ

写真:DIORのショーの後のモデル達。ヘアスタイルはショーそのままで。拡大DIORのショーの後のモデル達。ヘアスタイルはショーそのままで。

写真:アルマーニ・プリべのショーで。全身ホワイトのスーツスタイルに、個性的な蛇柄のサンダルヒールとゴールドのバングルでアクセントをつけている。拡大アルマーニ・プリべのショーで。全身ホワイトのスーツスタイルに、個性的な蛇柄のサンダルヒールとゴールドのバングルでアクセントをつけている。

写真:アルマーニ・プリべのショー。アンナ・デル・ロッソさん。ネックレスやクラッチバック、小物使いが特徴的。この日は2回着替えてた。拡大アルマーニ・プリべのショー。アンナ・デル・ロッソさん。ネックレスやクラッチバック、小物使いが特徴的。この日は2回着替えてた。

写真:シャネルのショーでの一枚。真っ赤なロングドレスが目に鮮やか。朝アルマーニ・プリべで見たファッションとは全然違うスタイル。拡大シャネルのショーでの一枚。真っ赤なロングドレスが目に鮮やか。朝アルマーニ・プリべで見たファッションとは全然違うスタイル。

写真:シャネルのショーのフィナーレ。モデルさんが全員集合。夜の街角をイメージしたショー会場はうっとりする程美しい。拡大シャネルのショーのフィナーレ。モデルさんが全員集合。夜の街角をイメージしたショー会場はうっとりする程美しい。

写真:これもシャネルの会場の中。顧客の姿を多く見かけた。拡大これもシャネルの会場の中。顧客の姿を多く見かけた。

写真:アン・バレリー・アッシュのプレゼンテーション・ショーで。アフリカン・テイストが彼女の個性と見事に調和。拡大アン・バレリー・アッシュのプレゼンテーション・ショーで。アフリカン・テイストが彼女の個性と見事に調和。

 夏到来!シトウレイです、こんにちは!今回私、初めて行ってきましたパリ・オートクチュールコレクション!プレタポルテはもう毎回慣れたものですが、オートクチュールはもうほんと、イメージもつかないまま行ったので、ドキドキわくわく、感動しっぱなしの毎日でした!

 プレタポルテより規模が小さいということから、オートクチュールにはメディアから来た人の量はそれほど多くなくて、それより実際の顧客の方らしき人の姿が多かった!

 「ブランドのショーにはそのブランドの服を着ていく」のがなんとなーくな暗黙のルールとしてありますが、クチュールのショーはその徹底ぶりがとにもかくにもすごかった!1日2回、3回フル着替えで現れる人まで。ショーのスケジュール時間に余裕があるというのも一つの理由ですが、何よりブランドに対して敬意とラブを表したいから、という気持ちを色濃く感じる人が多かった!

 そんなオートクチュール。結論からいうと、私にとってのその解釈はずばり、「漁港で水揚げしたまま直送、新鮮極まりないお刺し身!」。

 お刺し身自体は普通に見かけるメニューです。ただ、そのお刺し身は、手間と時間とお金をかけてわざわざ出向いて、今まで食べたことない位の新鮮でプリプリ、目から鱗のおいしさの一品。そんな感じが私にとってのオートクチュール!

 行くまでは何となく「ジョエル・ロブションの高級ディナーフルコース」、そんなイメージだったんですが、それがすっかり覆された!

 オートクチュールという言葉から想像するに、なんとなーく「いつもより豪華な服がでてくるショー」そんなイメージじゃありません?社交界とかで着るようなお姫様みたいなドレスだったり、頭の上から羽がフッファーッだったり!

 そんな「非日常」な洋服が出てくるショー、私にとってオートクチュールのイメージ。つまり一流シェフが腕をふるまう、1年に1、2度食べるか食べないかの、そんな高級レストランでの非日常ディナーだったんです。

 で、結果はと言うと。「非日常」は間違いない。でも、その指す意味がちょい違う!一言でいうとオートクチュールは「非日常の日常着」なんです。

 作ってるものは、あくまで着る人の毎日に沿ったお洋服、つまり日常着なんです!会社に行くために着るスーツ、週末遊びにいくお洋服、ちょっとパーティーに呼ばれた時の勝負服、すべてはやっぱり生活に則したお洋服!

 100メートル先からみたら普通の服と変わんないじゃん、と思うかもしれないですが、近くに寄ると、その細部の精密さにクラクラしちゃう、生地の光沢や質にドキドキしちゃう、形の美しさに目がキラキラしちゃう、「こんなすごいの見たことない!」そういう意味で「非日常」なんですね。果てしない手間とお金と膨大な時間をかけて作った品々は贅を尽くしに尽くした!としかいいようのないお洋服なんです。

 普段着るものの最高峰を目指したのか、オートクチュールのさす所であって、決して年に1,2度着るか着ないかの服を作ってるわけではない。この事実にとても驚きました。オートクチュールは、普段着と呼べるものの中でどれだけ細かい仕事と高いレベルの品質を極められるか、その最高峰に挑戦している舞台。

 「漁港で水揚げしたまま直送、プリプリお刺し身」は、普段食べるメニューの中で、最高レベルの鮮度と味を追求した先にあるもの。二つのあいだの共通点はこういう事だったんですねー!

 ショー自体で一番それを感じたのはシャネルのショー。パッと見は「あれ?これこのまま外に着て行っても大丈夫じゃない?」と思えるようなワンピースだったり、スーツだったり、日常の中で浮かない洋服。でもよく見るといやいや何々?!この細やかさ、素材に質に!ディテールに!!なサプライズのあるお洋服。本当の贅沢ここに極まれり、王道のオートクチュールってこういう事なんだなぁ、とため息が出てしまいました。

 またオートクチュールの側面として、今出来るマックスの技術を見せる晴れ舞台という面もあります。ししゅうやレースの繊細さだったり、見たこともない生地だったり、素材だったり、ビックリするくらいきれいなカッティングだったりなどと、「うちはこんなことまで出来ちゃいますよ!」を見せる、メゾン(ブランド)にとって、デザイナーにとっての「一番見てほしい晴れ舞台(=一番表現したいことを表す舞台)」であるワケです。

 そしてまた今回感動したのがアルマーニ・プリべ!実は今回のテーマが「日本へのオマージュ」だったんです。日本をモチーフにした作品の数々は、豪華絢爛で美しくて感動、それと同時にこのショーという自分自身のクリエーションの最高峰を表現する場所で、日本へのエールを送ってくれた、その心にとても胸打たれました。頂いたメッセージペーパーには、「今回の震災をうけての支援をずっと行う」、というメッセージも書いてあった。

 オートクチュールのショーは、普段はそれほど見ることのない、それぞれのブランドの本質的な部分、大事にしている部分(技術的なこだわりの部分も、コンセプトやメッセージなんかの気持ち的な部分も)が凝縮されてる、そんな事を感じたコレクション期間でした。

 大好きなクリエーターの本気のメッセージや、各メゾンのポリシーが直球勝負で向かってくるガチンコ勝負な舞台として考えると、例えば野球の決勝戦、例えばオリンピックの準決勝、そういう真剣勝負を見る楽しさや感動なんかと相通じる所が見つかるのではないかと。

 ファッションに興味がある人もそうでない人も、このガチンコ真剣勝負に向かう姿にはきっと絶対胸打たれるはず!

 ではでは今日はこの辺で。お相手はSTYLEfromTOKYOシトウレイでした、チャオ!

プロフィール

シトウレイ(Rei Shito)

石川県加賀市出身。早稲田大学教育学部在学中よりモデルデビュー。

STREET FASHION CULTURE誌「STREET」「FRUiTS」「TUNE」でフォトグラファーとして活躍後、08年より東京のストリートファッションを海外に向けて発信するサイト「STYLE from TOKYO(http://reishito.com/)」を開始。毎日更新で東京の「今」を全世界に向けて届けているパワーブロガー。原宿のファッションアイコン的存在でもある。新聞、雑誌、WEBなどで活躍中。
今夏、初の電子書籍による写真集を出版。iPod/iPhoneにてご覧いただけます。詳細はHPにて。http://www.d21.co.jp/contents/campaign/StylefromTokyo/

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