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シトウレイです、こんにちは! 暦の上では春ですが「♪春は名〜のみ〜の〜、風の寒さや〜♪」(早春賦)の歌そのままに、北風の冷たさが肌に沁みますここ昨今。
今日は常夏シンガポール、第2弾。冬の寒さをしばし忘れ、熱気と才気あふれるシンガポールのファッション事情にレッツフォーカス!
「輸入ファッションで自国に人を呼び込もう」プロジェクトは前回の通り、そして今回は「自国のファッション産業を育てよう」、つまりシンガポールのデザイナー育成事情です。
ご紹介するのは、日本のファッションビル・パルコとシンガポールの政府が一緒に始めた若手育成プロジェクト「PARCO next NEXT」。書類選考で選ばれた23人の若手デザイナーたちがPARCO内に特設ブースとして出店できるんです。
しかも、家賃だけでなく運営費やショーでのプロモーションなど、ブランドデビューに至るまでの半年間を完全に政府がバックアップしてくれます。若手デザイナーにとって悩みの種の資金問題がクリアできるのがうれしい制度。
しかーし! ここからがさすがシビアなシンガポール。この制度に応募するにはいくつかの条件があります。
(1)必ずシンガポールで法人をつくること。
(2)エンドユーザーであるお客様の反応をダイレクトに見るために、デザイナー自身が必ず週に8時間は売り場に立つこと。
ファッションのクリエイティブなセンスと同時にビジネスセンスも磨き、学ぶことが義務づけられているのです。
デザイナーは自分の世界を追求して文化に貢献するのが仕事だけれど、アーティストであると同時にビジネスマンでもなくてはならない。若手育成というとついついアーティスティックな才能を伸ばすことばかりに目が行きがちだけど、クリエイションを続けるうえで切っても切れないのがビジネス。そこを気付かせ学ばせる、合わせ技でもって若手育成をしているんです。
さらに1年に一度のオーディションで、デザイナーはそのブースを更新できるかできないかが常にアップデートされていきます。最初の審査に受かったからといって、うかうかできない緊張状態。
ぬ、ぬ、ぬかりない! シンガポールのファッションへの力の入れ方の抜け目のなさに、この国のファッション産業へ向けるガチな思いを垣間見た気がしました。
その他、官民一体となって年に一回開催されるASIA FASHION EXCHANGE(詳しくはコチラ)で行われるBLUE PRINTというファッション合同展示会などでも、若手のファッションショーを催しています。
ファッションという夢を売る「産業」には、現実を見据える才覚も必要。若手の段階からこの認識を徹底させるこの方法論は、日本のファッション業界も学ぶべき所が多々あるかと(まぁ、若手には耳が痛い話になるので、大人も出来れば言いたくないな、という気持ちはわかる)。
ファッションしかり音楽しかり、将来の目標その他で「夢」を選ぶか、「現実」をとるか悩んでいる人は少なくないはず。夢と現実はえてして対立しがちだけど、片方ずつしか選べないということは実はなく、クレバーでありさえすれば、両立できるもの。シンガポールのファッション産業育成事業は、それを教えてくれるものでした。
ではでは今日はこの辺で。まだまだ寒い昨今です。みなさまご自愛専一に! お相手は、「STYLEfromTOKYO」シトウレイでした、チャオ!

石川県加賀市出身。早稲田大学教育学部在学中よりモデルデビュー。
STREET FASHION CULTURE誌「STREET」「FRUiTS」「TUNE」でフォトグラファーとして活躍後、08年より東京のストリートファッションを海外に向けて発信するサイト「STYLE from TOKYO(http://reishito.com/)」を開始。毎日更新で東京の「今」を全世界に向けて届けているパワーブロガー。原宿のファッションアイコン的存在でもある。新聞、雑誌、WEBなどで活躍中。
今夏、初の電子書籍による写真集を出版。iPod/iPhoneにてご覧いただけます。詳細はHPにて。http://www.d21.co.jp/contents/campaign/StylefromTokyo/