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2012年5月11日11時59分
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「シトウレイのfun! fun! fashion!」

日本のファッションショーの見分け方 お客さんでJFWの人気ブランドを分析!

シトウレイ

写真:今回のJFWアートディレクターのTiffany Godoy女史。モード!拡大今回のJFWアートディレクターのTiffany Godoy女史。モード!

写真:PHENOMENONとFACETASMの合同ショーでの一枚。拡大PHENOMENONとFACETASMの合同ショーでの一枚。

写真:これもPHENOMENONとFACETASMの合同ショーの後での一枚。拡大これもPHENOMENONとFACETASMの合同ショーの後での一枚。

写真:JFW初参加ブランドDRESSEDUNDRESSEDのショーで。拡大JFW初参加ブランドDRESSEDUNDRESSEDのショーで。

写真:ANREARAGEのショー会場。とにかく人が沢山!拡大ANREARAGEのショー会場。とにかく人が沢山!

写真:matohuのショー会場。このブランドのアイコン、長着と呼ばれる
洋服を着て。拡大matohuのショー会場。このブランドのアイコン、長着と呼ばれる 洋服を着て。

写真:mintdesignsのショー会場。全身mintdesignsです。拡大mintdesignsのショー会場。全身mintdesignsです。

 シトウレイです、こんにちは!

 あたたかくなってファッションを楽しむにはうってつけの季節です。最近よく耳にする「ファッションショー」と名前の付くイベントの数々。今回は3月末に行われたイベント「ジャパン・ファッション・ウィーク(JFW)の見分け方 〜どのブランドがリアルに人気なのかをひもとく〜」と題して、日本のファッションショーの特徴や、人気ブランドのポイントについてお話しできればと思います。

 さて「ファッションショー」は世界中で(そして日本中でも)たくさんありますが、その歴史や規模、方向性が全然違うということはご存じでしょうか。

 いわゆるニューヨーク、ミラノ、パリといった世界のメイン・コレクション(通称3大コレクション)と、東京ランウェイや東京ガールズコレクションといったファッション・イベントとは、同じファッションショーという名前がついてても、全くの別物なのです。

 3大コレクションは、主にメディア関係者を会場に「招待」、そしてファッションクリエイター(デザイナー)が彼ら向けに発表するショー。そして、そのメディアを通じて、お客さんへとクリエイション(洋服)が伝わっていく。つまり発表する側(ブランドやメゾン)とエンドユーザーであるお客さんの間に距離がある仕組みです。ちなみに見られるのは、今期の新作のみになります。

 対して東京ランウェイやガールズコレクションは、エンドユーザーたるお客さんがチケットを「購入」、ファッションクリエイター(デザイナー)ではなく、ブランドや企業がマーケティングに基づいて作った洋服という商品をお客さんに向けて発表する場です。つまり発表する側とエンドユーザー(お客さん)の距離がダイレクトにつながっています。

 イベントの中身は多種多様、ファッションショーはもちろん、トークありお笑いあり、多くの企業ブースには体験スペースもあり、盛りだくさん!

 つまり、両者には大きく三つの違いがあります。

(1)インビテーションは「招待」か「購入」か

(2)ショーを見に来る人たちは「メディア」か「エンドユーザー」か

(3)発表するものは「クリエイション」か「マーケティング」か

 前者は最新のファッションに特化したまさに「ショー(見せる)」、後者は来た人が楽しく参加できる「イベント」性が高いものといえます。東京ランウェイやガールズコレクションは日本発祥のイベントのシステムと呼ばれていて、その独自性で注目を浴びるビジネスモデルとなっています。

 さて、ではジャパン・ファッション・ウィーク(JFW)はどうなのかといいますと、体裁および目指すべきところは3大コレクションの方向性ではある。ですが、今の状況では、どうもその肝心要の「メディア」関係者の集客が残念なことになっている……というのが実情です。海外メディアはもちろんのこと、日本のメディアにも、東京コレクションはあまりチェックしにこないという人たちが多いのです。

 では誰が来るのかというと、メディアが少数、あとはブランドの関係者や友人知人、そしてファン層が多いのが実情です。だったら、後者の東京ランウェイやガールズコレクション形式にした方がいいんじゃないのか、という指摘も出ています。そんな状況の中で、彗星(すいせい)のように現れたシステムがVERSAS TOKYO。詳しくは前回の記事をご覧ください。

 さて、世界の3大コレクションではブランドの人気度を測るものさしはズバリ「どれくらいメディアが来ているか、どのようなメディアが来ているか」で、その人気度が浮き彫りになるのですが、JFWに関しては、「どれくらいお客さんが来ているか、どのようなお客さんが来ているか」というのがものさしになるのが一つの特徴です。

 ショーを見に来る人たちを観察することで、街でも人気のあるブランドなのか否かが如実にわかる、ある意味デザイナーにとっては一番残酷なコレクションであるかもしれません。

 勢いがあると感じるブランドの会場にはやはり、おしゃれなストリートキッズや大人が勢ぞろい。なんだか少しさみしいなぁ……と感じる会場では、業界専門雑誌や新聞の記者さんたちだけになる。そんな現実があるわけです。

 さて、今回私が気になったのはこの6ブランドのショーは、まず(1)PHENOMENON&(2)facetasmの合同ショー。勢いで言えばここがダントツ! 見に来るお客さんの層はいわゆる東京のストリートカルチャーの中核をになう人たちが多かった(東京ファッショニスタ、と呼ばれるような人たちですね)。

 今回ランウェイを開催した(3)DRESSEDUNDRESSEDや3シーズン目の(4)CHRISTIAN DADAあたりにも同じニオイを感じる人たちがあふれてました。今後さらに期待の持てるブランドだな、と感じさせる素質を秘めています。

 (5)ANREALAGEのショーはとにかくお客さんの量の多さに圧倒されました! 地方からわざわざこのためだけにやってくる、という熱狂的なファンも多数。その日はまだ冬の寒さの厳しい夜だったんですが、寒い中キラキラした目で開場を待つお客さんを見ていたらファッションの与えうる喜びや希望って、こういう所にあるんだなぁ…としみじみしたり。

 独特なお客さん層を見せたのは(6)mathou。お客さんにはいわゆるファッショニスタな匂いはしないのですが、このブランドの世界観を好きな人たちが集まっていました。こつこつとしっかり根付いたファンがいる、ファンに対して向き合って、そして少しずつその層を増やしている。この質実剛健さにmatohuらしさを感じました。

 いつもの「ファッション分析」や「コレクション分析」とはちょっと違った視線から見る。様々な角度から物事を見ることで、よりよく深く理解は深まるのはファッションにおいてももちろんですが、仕事だったり、趣味だったり、そして人間関係にも言えることです。

 柔軟な思考、広い視野。GWも終わって、仕事も本格的に開始する時期です。おろしたてのシャツやネクタイ、買ったばかりのスカートと共に、新しい思考スイッチをオンにして、フレッシュな気分で毎日を始められたらと思います。ではでは今日はこの辺で。

 お相手はSTYLE from TOKYO シトウレイでした、チャオ!

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プロフィール

シトウレイ(Rei Shito)

石川県加賀市出身。早稲田大学教育学部在学中よりモデルデビュー。

STREET FASHION CULTURE誌「STREET」「FRUiTS」「TUNE」でフォトグラファーとして活躍後、08年より東京のストリートファッションを海外に向けて発信するサイト「STYLE from TOKYO(http://reishito.com/)」を開始。毎日更新で東京の「今」を全世界に向けて届けているパワーブロガー。原宿のファッションアイコン的存在でもある。新聞、雑誌、WEBなどで活躍中。
今夏、初の電子書籍による写真集を出版。iPod/iPhoneにてご覧いただけます。詳細はHPにて。http://www.d21.co.jp/contents/campaign/StylefromTokyo/

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