現在位置:
  1. asahi.com
  2. ライフ
  3. ファッション&スタイル
  4. コラム
  5. 男の服飾モノ語り 山本晃弘
  6. 記事

いまNYで注目を集める、メガブランドの小さな店

2010年9月21日11時41分

写真:ニューヨークのトライベッカに建つ、Jクルーリカーストアの店内。カウンターに無造作に商品が積み上げられている。拡大ニューヨークのトライベッカに建つ、Jクルーリカーストアの店内。カウンターに無造作に商品が積み上げられている。

写真:LIQUOR STOREの看板が掛かる外観からは、メンズストアとは想像できない。拡大LIQUOR STOREの看板が掛かる外観からは、メンズストアとは想像できない。

写真:今年の春、ニューヨークにオープンしたコーチのメンズストア。拡大今年の春、ニューヨークにオープンしたコーチのメンズストア。

写真:ブリーカーストリートの店らしい、こじんまりした佇まい。(以上4点の撮影/Yasuyuki Takagi)拡大ブリーカーストリートの店らしい、こじんまりした佇まい。(以上4点の撮影/Yasuyuki Takagi)

写真:ニューヨークのユニオンスクエアにある、RUGBYストア。拡大ニューヨークのユニオンスクエアにある、RUGBYストア。

写真:待望のRUGBYストアが、9月15日に原宿にオープン。拡大待望のRUGBYストアが、9月15日に原宿にオープン。

 今年の夏、3年ぶりにニューヨークを訪ねた。2泊3日のショートステイではあったが、取材の合間を縫って何軒かのメンズストアを見る機会を得た。

 まずは、Jクルーリカーストア。この店は、「ニューヨークに行くのなら、ぜひ見てきたほうがいい」と、何人ものファッション関係者から勧められたのだ。Jクルーは、リーズナブルな価格とキレイ目カジュアルの提案で、一時期は日本でも人気があったブランドだが、数年前に日本撤退の憂き目にあっている。さながら、早過ぎたファストファッションといったところか。

 ウォール街の金融マンが通う有名レストランが立ち並ぶトライベッカ地区に、Jクルーが小さな店を出したのは、2008年8月のこと。元は酒屋だった場所がレストランブームでバーになり、さらに改装されて、このショップがオープンした。バーで使われていたままのカウンターに積み上げられたコットンパンツ。フロアに無造作に並ぶ、ローファーやスニーカー。アメリカの田舎町に行くと、食料品からワークウエアまで、こまごましたものを何でも売っているジェネラルストアがあるが、まさにJクルーリカーストアはそんな雰囲気である。40代くらいの男性が一人でフラッとやってきて、シャンブレーのシャツを買っていく。そんな様子からも、この店の人気が感じられた。

 次に訪ねたのは、ブリーカーストリートに今年の春オープンしたコーチのメンズストア。女性に人気の高いバッグで知られるが、そもそもは革職人のクラフトマンシップから生まれた生粋のニューヨークブランドである。男性用の革小物で一世を風靡したことがあるものの、意外にもここがアメリカでは初のメンズ専門ストア。この界隈には、マークジェイコブスやブルックス ブラザースのブラック・フリースといったブランドショップが並び、ショッピング中のセレブを見かけることも多い。コーチのメンズストアも、小さなスペースながら、そんな洒落(しゃれ)者たちを意識した商品が充実している。

 ここ数年は、ニューヨークでもアバクロ、H&Mといったファストファッションが人気を博し、ストリートの角々に建つ巨大ストアが売り上げを競う時代が続いていた。かく言うJクルーやコーチにしても、ミッドタウンに大きな旗艦店を持つメガブランドである。もっと自分らしいものが買いたい。親密な雰囲気の店を行きつけにしたい。いつ行っても会えるお洒落な店員に接客して欲しい。いま消費者には、そんな気分が満ちている。いくつかのメガブランドが小さい店をオープンする背景には、そんな新しい潮流があると思う。

 ニューヨークのユニオンスクエア近くにあるラルフ・ローレンのRUGBYストアは、そういったトレンドの先駆けといってもいいだろう。それほど大きくないスペースに、プレッピーっぽくヒネリを効かせたメンズとレディスのアイテムがあふれるこの店は、2005年秋のオープン。学生街の雰囲気にマッチしたお洒落な店員の着こなしも、注目を集めた。

 最後に、ニュースをひとつ。原宿のキャットストリートに、アメリカ以外では第1号店となるRUGBYストアが開店したのだ。9月15日オープンの当日には、朝から100名以上のファンが並び、入場規制となる人気ぶり。メンズとレディスの2フロア構成で、ニューヨークの店と比べると若干広めだが、親密な雰囲気はそのままだ。

プロフィール

山本 晃弘(やまもと・てるひろ)

朝日新聞出版・新事業開発チームeditor at large兼 アエラスタイルマガジン編集長。

男性ファッション誌「MEN’S CLUB」や「GQ JAPAN」などの編集を手掛けた後、2008年4月の会社設立と同時に朝日新聞出版に入社。ニッポンのビジネスマンに着こなしを提案する季刊誌「アエラスタイルマガジン」を、クロスメディアで展開している。

AERA STYLE MAGAZINE アエラスタイルマガジン

表紙9/6(月)発売 商品を購入する

2010年秋号 Vol.8
「The HANBOOK of BUSINESS STYLE」 2010年版 着こなしの教科書

特集
「ビジネスマンに贈る スーツの鉄則50」pick up
ジャケットのボタン、一番下は留めない/スーツの襟幅は8.5cm/靴は紐ありが原則 ほか
「リアルビジネスマンの着こなし〜5社10名がスーツをオーダーメイド」
富士フイルム/味の素/損害保険ジャパン/JRA/三菱地所
パンツを替えれば休日着が変わる
この秋、カジュアルスタイルを変えるパンツ3種27本を紹介
ブラックデニムパンツ/ウールカーゴパンツ/スリムチノパンツ
AERA STYLE MAGAZINEとは・・・
「一般のビジネスマンにファッションの楽しさを改めて知ってもらいたい」―― そんな思いの下、AERAの別冊として、2008年11月に季刊として創刊しました。 ハイクオリティなビジュアルと、アエラ別冊ならではの知的な読み物が共存した誌面は、 ビジネスマン読者の共感を呼んでいます。

サイトはこちらから

検索フォーム


朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内事業・サービス紹介