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先達に学べ オーセンティックな着こなし

2010年11月25日

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ネイビースーツの男たちが、ショートムービーでご覧いただけます。(Movie Direction and DP:Kei Ogata)

写真:チョーヤ・シャツの「白シャツ」。明治の文豪にも愛用された歴史を持つ、日本屈指の老舗。100番手双糸のブロード地の白が美しい。 写真:Yoshihiro Kawaguchi拡大チョーヤ・シャツの「白シャツ」。明治の文豪にも愛用された歴史を持つ、日本屈指の老舗。100番手双糸のブロード地の白が美しい。 写真:Yoshihiro Kawaguchi

写真:ブルックス・ブラザーズの「レジメンタルタイ」。右上から左下に斜めのストライプが入る元来の英国式レジメンタルに対して、アメリカの老舗ブルックスのタイは左上から右下へのストライプ。 写真:Takashi Nishizawa拡大ブルックス・ブラザーズの「レジメンタルタイ」。右上から左下に斜めのストライプが入る元来の英国式レジメンタルに対して、アメリカの老舗ブルックスのタイは左上から右下へのストライプ。 写真:Takashi Nishizawa

写真:エス・テー・デュポンの「タイバー」。1872年にフランスで創設された装飾小物の老舗ブランド。ダイヤモンド・ヘッド・カットと呼ばれる独自の加工が施された、シルバーのタイバー。 写真:Yoshihiro Kawaguchi拡大エス・テー・デュポンの「タイバー」。1872年にフランスで創設された装飾小物の老舗ブランド。ダイヤモンド・ヘッド・カットと呼ばれる独自の加工が施された、シルバーのタイバー。 写真:Yoshihiro Kawaguchi

写真:右:ウールの3ボタンコート、ダブルブレストのストライプスーツ。 中:ウールのダブルブレストコート、3ボタン段返り無地スーツ。 左:ウールとシルク混カシミヤ一枚仕立てのダブルブレストコート、3ボタン段返りピンストライプスーツ(すべてビームスFなどで取り扱い)。 写真:Kei Ogata拡大右:ウールの3ボタンコート、ダブルブレストのストライプスーツ。 中:ウールのダブルブレストコート、3ボタン段返り無地スーツ。 左:ウールとシルク混カシミヤ一枚仕立てのダブルブレストコート、3ボタン段返りピンストライプスーツ(すべてビームスFなどで取り扱い)。 写真:Kei Ogata

写真:ストイックなスーツ姿の男たち。写真:同上拡大ストイックなスーツ姿の男たち。写真:同上ネイビースーツの実物写真はこちらのサイトでも

 ビジネスマンがスーツを着るときに、心掛けるべき第一のルール。それは、「仕事着で個性を主張しない」ということ。主張すべきは仕事の出来、そしてみた目ではなく、自身の内面であることは言うまでもない。とはいえ、着るも仕事のうち。自分の身なりに関心を持って、スーツを着ることを楽しむ余裕も忘れたくない。そんなとき、先達が選んできたオーセンティックなアイテムを選ぶのは、賢い選択といえるだろう。

 例えば、白無地のシャツ。襟型やカフスのデザインで遊びを表現するのは、若気の至り。生地や織り方にこだわった、上質のものを選びたい。“蝶矢シャツ”は、1886年に創業したシャツ専業メーカー。低速織機を使って織り上げたコットンの白シャツは、柔らかく、かつコシのある風合いを持つ。

 レジメンタルタイは、19世紀の英国の連隊(=レジメント)に由来する。汎用性が高いのは紺無地のソリッドタイであろうが、凜々しいVゾーンなら紋章のようなレジメンタルに分がある。アメリカの老舗(しにせ)ブルックスブラザーズのものは、ボリューム感のあるしっかりとした生地で、襟元に締めた際の結び目が美しく決まる。

 さらにVゾーンにタイバーを使えば、ジャケットを脱いだときにネクタイがぶらつかず、襟元の結び目を立体的に起こしてくれる効果もある。このアイテムは、一時期は年配者だけが使うやぼなアイテムとなっていたが、いま再び脚光を浴びている。エス・テー・デュポンのものなら、同社がライターなどでも見せる金属加工の技術を施したシルバーが、格別の輝きを見せてくれる。

 最後に、肝心のスーツとコート。仕立てのいい紺のスーツに、紺のチェスターコートを羽織った男のエレガントなたたずまいは、単にオーセンティックであることを超えて、比類なき美しさを持っていると思う。昨今のビジネス着のカジュアル化の流れもあって、スーツの上に着丈の短いキルティングコートやダウンを羽織ったビジネスマンも多い。しかしながらビジネスシーンには、こういった着こなしでは乗り切れないT.P.O.もある。例えば、年末年始に増えるパーティーへの出席。ネイビースーツにチェスターコートを着こなせば、こういったフォーマルなシチュエーションにも対応できる。

プロフィール

山本 晃弘(やまもと・てるひろ)

朝日新聞出版・新事業開発チームeditor at large兼 アエラスタイルマガジン編集長。

男性ファッション誌「MEN’S CLUB」や「GQ JAPAN」などの編集を手掛けた後、2008年4月の会社設立と同時に朝日新聞出版に入社。ニッポンのビジネスマンに着こなしを提案する季刊誌「アエラスタイルマガジン」を、クロスメディアで展開している。

AERA STYLE MAGAZINE アエラスタイルマガジン

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