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2011年6月23日10時31分
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「男の服飾モノ語り 山本晃弘」

“オジカジ”ファッションが流行 発端はプレッピー

山本晃弘

写真:1)レッドとブルーを基調としたマリンっぽいトリコロールカラーは、プレッピーなスタイルとも相性がいい。拡大1)レッドとブルーを基調としたマリンっぽいトリコロールカラーは、プレッピーなスタイルとも相性がいい。

写真:2)レター(英文字)が入ったカーディガンやスゥエットシャツは、プレップスクールの学生たちの御用達アイテム。拡大2)レター(英文字)が入ったカーディガンやスゥエットシャツは、プレップスクールの学生たちの御用達アイテム。

写真:3)ネイビージャケットにニットタイ、ホワイトデニムにリボンベルト。アメリカンブランドらしい色づかいのコーディネートだ。拡大3)ネイビージャケットにニットタイ、ホワイトデニムにリボンベルト。アメリカンブランドらしい色づかいのコーディネートだ。

写真:4)アメリカ東部の大学を舞台にした映画「アニマルハウス」に出演したジョン・ベルーシを思い起こさせる、プレッピーな着こなし。拡大4)アメリカ東部の大学を舞台にした映画「アニマルハウス」に出演したジョン・ベルーシを思い起こさせる、プレッピーな着こなし。

写真:5)クラシックで暖かい雰囲気のツイードジャケットは、今年の秋冬のマストアイテム。拡大5)クラシックで暖かい雰囲気のツイードジャケットは、今年の秋冬のマストアイテム。

写真:6)ジャケットの下にカーディガンを合わせる一見オジさんっぽい着こなしが、トレンドになりそうな気配。(写真4、5、6は8月以降に順次展開予定。写真1から6までの商品のお問い合わせは、すべてトミーヒルフィガージャパン TEL0120−266−416)拡大6)ジャケットの下にカーディガンを合わせる一見オジさんっぽい着こなしが、トレンドになりそうな気配。(写真4、5、6は8月以降に順次展開予定。写真1から6までの商品のお問い合わせは、すべてトミーヒルフィガージャパン TEL0120−266−416)

 10代の女のコたちの間で“オジカジ”と呼ばれるファッションが流行している。ひじあて付きツイードジャケット、ちょっと大きめのレタードカーディガン、黒縁の大きな眼鏡…。そんな「オジさんっぽい」雰囲気のアイテムを、ユルく「カジュアル」に着こなすことがポイントになっているようだ。

 トラッドなアイテムを自由に着こなすこうしたファッションは、“プレッピー”に端を発しているといってもいい。アイビーリーグの名門大学を目指すアメリカ東部のプレップスクールに通う学生の“プレッピー”スタイルは、1980年代初頭にメンズファッションを席巻したことがある。彼らの着こなしやライフスタイルを面白おかしく解説した「The Official Preppy Handbook」が1980年にアメリカでヒットし、日本語版も出版されたことを覚えている方もいるだろう。そして昨年の秋には、同じ作者による30年ぶりの新ルールを盛り込んだ改訂版がアメリカで出版された。家族や仲間を大切にするライフスタイルを持ちつつも、ルールにとらわれない遊び心や個性を重んじる。そんなプレッピー気質は、どうやら今の時代の気分にピタリとくるらしい。

 1980年代中盤にブランドをスタートさせたトミーヒルフィガーは、プレッピースタイルを得意とするニューヨーク出身のデザイナー。今年の春夏も“Classics with a Twist”というコンセプトで、楽しい着こなしを提案している。ボートクラブのチームウエアを思わせる赤いウインドブレーカーには上品なサマーニットを合わせて、シャツの裾をあえてのぞかせてみる(写真1)。マドラスチェックのシャツにHの頭文字が印象的なレタードカーディガンをはおり、カーゴパンツは無造作にロールアップ(写真2)。ネイビージャケット、ニットタイ、ホワイトデニムといった着こなし(写真3)は、ビジネスマンにとってクールビズのお手本にもなりそう。

 そして2011年秋冬のコレクションでも、トミーヒルフィガーは引き続きプレッピーなスタイルを提案。レタードカーディガンは、ハーバードレッドともいわれる秋らしいボルドー色に(写真4)。ヘリンボーン織のツイードジャケットは、アスレチックパンツでドレスダウン(写真5)。エンブレムがりりしいネイビーブレザーにはグレーのカーディガンをあわせて、リラックスした雰囲気にくずす(写真6)。

 この暑さに秋冬の着こなしの話は早すぎ、というなかれ。今年は、控えめな暖房に対応したスーパーウオームビズも予想される。ジャケットの下にニットを重ねる写真6のようなコーディネートは、そんなときに役に立つはずだ。

プロフィール

山本 晃弘(やまもと・てるひろ)

朝日新聞出版・新事業開発チームeditor at large兼 アエラスタイルマガジン編集長。

男性ファッション誌「MEN’S CLUB」や「GQ JAPAN」などの編集を手掛けた後、2008年4月の会社設立と同時に朝日新聞出版に入社。ニッポンのビジネスマンに着こなしを提案する季刊誌「アエラスタイルマガジン」を、クロスメディアで展開している。

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「一般のビジネスマンにファッションの楽しさを改めて知ってもらいたい」―― そんな思いの下、AERAの別冊として、2008年11月に季刊として創刊しました。 ハイクオリティなビジュアルと、アエラ別冊ならではの知的な読み物が共存した誌面は、 ビジネスマン読者の共感を呼んでいます。

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