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ディズニーシーそっくりの街 ブランド店が林立

2010年8月31日12時41分

写真:テーマパークかと見まごう薄ピンク色の街並みに林立するブランド店。規模も品揃えも、パリやミラノ並み!?拡大テーマパークかと見まごう薄ピンク色の街並みに林立するブランド店。規模も品揃えも、パリやミラノ並み!?

写真:入り江のマリーナは、自家用クルーザーで埋め尽くされていた拡大入り江のマリーナは、自家用クルーザーで埋め尽くされていた

写真:両側にはブランド店がずらり。手前右はルイ・ヴィトン拡大両側にはブランド店がずらり。手前右はルイ・ヴィトン

写真:海を臨むテラスにパラソルの花が咲く拡大海を臨むテラスにパラソルの花が咲く

写真:一帯を開発したアガ・カーン4世が宿にしていたホテル「カラ・ディ・ボルベ」。故・ダイアナ元皇太子妃も滞在していたほか、映画「007」のロケ地にもなった拡大一帯を開発したアガ・カーン4世が宿にしていたホテル「カラ・ディ・ボルベ」。故・ダイアナ元皇太子妃も滞在していたほか、映画「007」のロケ地にもなった

 ヨーロッパにおけるセレブたちの夏の聖地といえば、イタリアはサルディニア島のコスタ・ズメラルダ(エメラルド海岸)。スターの水着姿やスポーツ選手らの熱愛模様などがパパラッチされることも多い。故ダイアナ妃が亡くなる直前まで滞在していたことや、ベルルスコーニ伊首相、プーチン露首相らの別荘があることなどでも知られる。

 バカンス最盛期の7月はとうに過ぎていたものの、先週数日間ながらのぞく機会があったので、ミーハーの最たるものですが、ご報告します!

 その名の通りエメラルド色に輝く海と、照りつける太陽、赤褐色の壁を持つ家々。マリーナには無数のクルーザーが停泊している。地中海に浮かぶその島北東部の海岸地域が、「別天地」の名をほしいままにしてきた理由がすぐにのみ込めた。

 歴史遺産たっぷりのイタリアにあって、開発からわずか50年余りの人工的な街。アラブの大富豪アガ・カーン4世がこの美しい入り江を見つけた時は、まだ一帯は荒涼とした電気も水道もない土地だったという。その後、ギネスビールの社長や発泡水サンペレグリノの社長一族、フィアットグループの創始者一家らとともに、世界有数のリゾート地に築き上げた。

 中心となるポルト・チェルボの街に足を踏み入れた瞬間、頭に浮かんだのは、そう、「ディズニーシー」。ハーバーに向かって薄ピンク色の家並みが続き、張り出したテラスには白いパラソルが涼しげに開く。まさにディズニー・シーの「メディテレーニアンハーバー」に向かってホテルミラコスタなどが展開する光景そのものではないか。背後にはパークのランドマークとも言える、あの独特の形をした岩山まで、そっくりそのままにそびえている。

 ただし、ここにはディズニーシーにはない高級ブランドが、軒並み店を構えていた。ルイ・ヴィトン、グッチ、ブルガリ、カルティエ……。パリのフォーブル・サントノーレ通りか、ミラノのモンテ・ナポレーネ通りが、この島の小さな街に再現されているかのよう。各店の規模こそ両通りのように大きくはないが、既に最新の秋冬物もそろえており、品ぞろえは悪くない。しかも一様に、かなり繁盛しているのだ。

 行き交う人々はほとんどが西欧系白人。服装はエレガントなビーチウエアが中心だ。水着の上にレースのチュニックやカフタン風トップスをはおり、ボトムスはショートパンツやパレオの人も多い。透ける柔らかな素材のサンドレスも目を引く。珍しい日本人とあって、茶系のレオパード柄に花をあしらったパンツスーツの女性が、声をかけて来た。手にはロベルト・カヴァリの大きな紙袋を提げている。

 「ここは太陽も海も人々も最高だけれど、来る度に散財してしまうわ」。自家用クルーザーを所有しており、もう何年もここで夏を過ごしているのだという。日本へも何度も訪れた旅行フリークらしい。

 実際、この地はホテルも食事もすべて割高なことで知られている。美しく整備されたマリーナに船を係留するのに1日数百万円、ヴィラをひと月借り切るのには数千万、人気のナイトクラブに席を確保するのに数十万円…などとささやかれる。それでも毎年訪れる人が絶えないのは、社交場としての役割が大きいからといわれる。

 このため、夜のドレスアップは欠かせない。遅い日暮れを迎える8時過ぎにもなると、ホテルのロビーやレストランには、ドルチェ&ガッバーナやヴェルサーチ、エミリオ・プッチといった大胆なゴージャス系ドレスをまとった人々が目につくようになる。レネ・カヴィオラとおぼしきスネーク模様が足首に巻き付いたヌードサンダルや、ほとんどつま先で立っているかのようなハイヒールに驚く。なるほど、ひと月も滞在していれば新しいドレスのひとつも欲しくなるわねと、ブランド街の必要性にも納得。

 今回、残念ながら誰もが知っている大スターには出会わなかった。それでも、ピープルウォッチングだけでなかなかに楽しめた。たとえ、あいさつ替わりに「自家用ボートで来たの?それともヘリ?」と聞かれ、「ロー・コスト・キャリア(格安航空会社)」と答えねばならなかったとしてもね。

プロフィール

柏木友紀(かしわぎ・ゆき)

asahi.comファッション&スタイルページのエディター。

朝日新聞社入社から10ウン年、社会部、アエラ編集部、文化部を経て、09年10月より現職。メディアとファッションなどを主に担当してきた。

3度の食事と4歳になる息子、の次ぐらいにファッションは気にかかるが、生来の面倒くさがりのため、ラクして美しくなれる方法はないものかと思案中。

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