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「はずして」きめる フィレンツェ発、芯なしネクタイ

2007年12月24日

 イタリアはフィレンツェの小さな男性洋品店の創業者が、指折りのしゃれ者として、メンズファッション界の「羅針盤」となっている。フランコ・ミヌッチ、72歳。「セッテ・ピエゲ(七つ折り)」と呼ぶ彼のネクタイは、シルク地をぜいたくに使って、芯を省いた逸品だ。先月末、東京・青山の洋品店「タイ・ユア・タイ」の移転・新装を機に来日。タイを生かすファッションの極意を聞いた。

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フランコ・ミヌッチ氏

 ロマンスグレーの髪に真っ白なドレスシャツ、ジャケットの襟(えり)には黄色い花。「ちょい不良(ワル)系」の典型とも言えそうないでたちで彼は現れた。タイはノットが小さめ。

 「芯がなく上質なシルクだから、コンパクトに締められる。最近はジャケットの肩幅もラペル(下襟)幅も狭く、ネクタイがそうなるのは必然」

 創業100年以上の店が珍しくないフィレンツェで、まだ開店20余年。かつて米国で工場生産された七つ折りのネクタイをヒントにし、芯を抜き、すべて職人の手作りにした。生地の巻き縫いだけで2時間かかるそうだ。

 柔らかさを生かし、クルッと丸めてポケットチーフとしてあしらい、夕食時にはレストランの前でサッと結ぶ。こんな着こなしも提案する。「完璧(かんぺき)なスタイルは好みじゃない。おしゃれな人は『はずし技』を身につけている。働くことばかり考える現代人も、花を飾ったり贈ったりする余裕や、はずしが欲しい」

 多忙でも日に3度はワイシャツを着替える。「陽気になるため。アイロンが利いたシャツは気分が華やぐ」。本当のおしゃれは、こんな生活習慣が生むものなのだろう。

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