パリのギャラリー「ラザルー」で、「人間と服の関係」をライフワークに掲げる写真家、高木由利子による展覧会「The Birth of Gravity」が開催中だ。11月の写真月間に合わせて始まり、来場者でにぎわっている。
白黒の写真からは、光と影、風景の肌触りが鮮明に浮かび上がる。現地に暮らす被写体は作家の要望により衣服を脱ぎ去り、地元の風景にただ一人溶け込む。「自然を前に人間の体はもろく、いとおしい。そして人の存在は不思議なもの。何のためにそこにいるのか、それを写真で探している」と高木。過去15年間撮りためられ、今後も続くシリーズで、来年はベルギーのブリュッセル、東京に巡回予定。パリの出版社と写真集の企画も進行中という。(田村有紀)