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時代超え、創造の系譜たどる ディオール60周年記念展

2007年07月30日

 オートクチュールの老舗(しにせ)ブランド、クリスチャン・ディオールが今年60周年を迎えた。それを記念して、創立者から現職まで歴代デザイナー5人の作品を集めた展覧会がフランスで開かれている。全員の作品を同時に展示するのは初めてだという。時代を超えて「女性のエレガンス」を追究する、創造の系譜をたどっている。

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5人のデザイナーの作品から、同じ色のものを集めた展示室。ここはピンクの部屋=すべて大原広和氏撮影

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ガリアーノの作品に見入る来館者たち

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ディオールの青いドレス

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サンローランのグリーンのドレス

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ボアンのゴールドのロングドレス

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フェレの黒いコート

 会場はノルマンディー地方の港町グランビルにあるクリスチャン・ディオール美術館。創立者が幼少期を過ごした家が97年、文化省公認の美術館になった。

 ディオールは47年2月のコレクションでデビュー。布地をたっぷり使った優美な服の数々は「ニュールック」と絶賛され、第2次大戦で疲弊した人々にモードという美しい夢をもたらした。しかし活躍したのはわずか10年。57年秋に52歳で急逝した。

 「服は魂を持っていなければならない」と語った、創立者のエスプリ(精神)はいかに継承されたか。展覧会はそこに焦点をあてる。色彩を重視したディオールにならい、5人の作品を九つの色別に構成。デザイン画なども含め約120点を展示している。

 1階の中央に立つロングドレスが目をひく。現デザイナー、ジョン・ガリアーノが今年1月のコレクションで発表した作品だ。胸から腰にかけて繊細な刺繍(ししゅう)を施し、すそは布地をふんだんに使ってひだを重ねる。創立者の華麗なエレガンスを受け継ぎつつ、ガリアーノらしいドラマチックなドレスに仕上げている。

 さらに「ピンクとグレーというディオールが大切にした色を使っている」とジャンリュック・デュフルン学芸員は指摘する。「(幼少期を過ごした)この美術館の壁はピンク、屋根はグレー。気づきましたか」。この展覧会を象徴する作品といえそうだ。

 時代をさかのぼる。ディオールの後継に指名されたのはイヴ・サンローラン。当時21歳。シンプルなデザインに若さを加えたコレクションが高く評価された。将来を嘱望されたが、60年に応召。アルジェリアの戦場で負傷し、療養生活をやむなくされた。

 3代目はマルク・ボアン。自己主張を控え、ディオールに近いデザインを心がけていたようだ。89年にはイタリア人のジャンフランコ・フェレが起用された。大胆なカッティングと立体的なデザインを持ち込んだ。

 96年からは現職のガリアーノ。指名された当初は「英国出身のアバンギャルド」と否定的に見られたが、創立者のデザインに独自の表現を加えて、新たな時代を切り開いた。

 『ディオールの世界』などの著者、川島ルミ子さんは「ガリアーノはオートクチュール全体にインパクトをもたらし、他のブランドの意欲もかきたてた」と話す。「デザイナーが交代しながらも、創立者のエスプリは継承する。そこにディオールの独自性がある」

 展覧会は9月23日まで。詳しくはホームページ(www.musee−dior−granville.com、仏語)で。

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