陶器の人形たち。左からヴィヴィアン・ウエストウッド、ガレス・ピュー、ヴィクター&ロルフ、滝沢直己、エステバン・コルタザル作=大原広和氏撮影
ドイツの老舗(しにせ)陶器メーカー、ニュンフェンブルグが創設260周年を記念して、18世紀の人形を復刻。世界のデザイナー16人が手がけた服を着せて、7月にパリ市内で披露した。コメディーの俳優をイメージしたクラシックな人形たちが、個性的でモダンな衣装をまとって生き生きとよみがえった。
デザインを依頼されたのは、パリ・オートクチュールに参加するクリスチャン・ラクロワやマウリツィオ・ガランテら。それに、英国や日本などからもデザイナーが加わった。
ラクロワのドレスは、手描きの植物柄を全面にあしらったロング丈。ヴィクター&ロルフは黒ずくめで、滝沢直己は東京ストリート風のデニムのスーツだ。ヴィヴィアン・ウエストウッドはカラフルな道化師スタイル。ロンドンで注目のガレス・ピューは黒白の抽象柄で全身を覆った。
人形は一体を製作するのに、2週間もかかる。微妙な指先の角度や顔の表情に、70種類の微妙な色を使い分けた多彩さも見ものだ。
企画した同社の広報担当者は「細心の注意をもって芸術性を追求した手作りの人形は、オートクチュールと通じる。殺伐とした、いまの社会の中で、その価値を見直す時期ではないか」と話した。(編集委員・高橋牧子)