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江戸小紋・江戸更紗 工房・二葉苑

2009年11月26日10時45分

写真:ギャラリーには江戸更紗や江戸小紋を使った様々な製品がならぶ=東京都新宿区上落合の二葉苑拡大ギャラリーには江戸更紗や江戸小紋を使った様々な製品がならぶ=東京都新宿区上落合の二葉苑

写真:工房でろうけつ染めの作業をする森本友二さん拡大工房でろうけつ染めの作業をする森本友二さん

 東京都新宿区上落合。古い住宅や工場などが立ち並ぶ川沿いの狭い路地を進むと、モダンな建物が突然、現れる。江戸小紋や江戸更紗(さらさ)の技を今に伝える二葉苑の工房だ。

 上品な鮫小紋などに代表される江戸小紋は、武家の裃(かみしも)に染められて発達した。ぜいたく禁止令が出された封建時代。遠目には無地に見えて、近づくと目を見張るような細かい文様が浮かぶ。各藩がその細かさを競ったという。

 一方、江戸更紗は、遠くインドで生まれた染め物が室町期に日本に伝わり、江戸で独自の発展を見せたもの。花鳥風月を図案化した幾何学的な文様と渋みのある色が特徴だ。

 創業90年を迎える二葉苑ではいずれも型紙や図案作りから、蒸しや洗い、仕上げまで、すべての工程を一貫して自社工房で手がけている。

 併設のギャラリーには、髪飾りや袋物やサンダルなど様々な加工製品も並ぶ。着物需要の落ち込みもあり、今では売り上げの約半分は着物地以外が占めるようになったという。

 4代目の小林元文社長(43)は、「反物を作り続けるには職人技を継承していく必要がある。その土台として着物以外の商品の可能性を広げていきたい」。パリなどでの国際見本市にも積極的に出展。職人の育成とともに、一般の人に江戸染色に親しんでもらおうと、染色教室も開いている。

 この秋、二葉苑の門をたたいて職人の道を歩み始めた森本友二さん(27)は、「江戸時代に最先端だった技術を学び、受け継ぎながら、現代の感覚の染色も目指したい」と修行に励む。(菅野俊秀)

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