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美と技の継承 ヴァンクリーフ・アーペル展 六本木

2009年11月24日12時25分

写真:スピリット・オブ・ビューティー(トンボの妖精)のブローチ(1944年)拡大スピリット・オブ・ビューティー(トンボの妖精)のブローチ(1944年)

写真:ミステリー・セッティングの技法を用いたシャクヤクの花のブローチ(1937年)拡大ミステリー・セッティングの技法を用いたシャクヤクの花のブローチ(1937年)

 華麗なデザインと究極ともいえる職人技で、約1世紀にわたって世界の王族や大女優らを魅了してきた高級宝飾ブランド、ヴァンクリーフ&アーペル。その美の神髄に迫る「ザ・スピリット・オブ・ビューティー」展が東京・六本木ヒルズの森アーツセンターギャラリーで開かれている。

 神秘的な森に迷い込んだかのような会場には、300点近い優品が「自然」「エレガンス」「冒険」「インカーネーション(美の化身)」の4テーマで展示されている。

 ブランドを代表するモチーフで、創造の源でもあるのは自然。精密に作り込まれたかれんな花々が輝きを放ち、羽を広げた鳥やチョウは生命力を感じさせる。一粒の宝石なのに、複雑なカッティングが生む光と色彩で何とも豊かな妖精の表情に。留め金を見せない独自の技術「ミステリー・セッティング」によるなめらかな曲線も見ものだ。

 作品は時代も映し出す。アジアやエジプトをモチーフにした異国情緒あふれる作品には20世紀初頭の冒険熱の高まり、優美さと実用性を兼ね備えた小さなバッグやシガレットケースが登場する背景には自立する女性像がある。

 1920年代のビンテージと現代の品が並んで違和感がないのは、ブランドが継承してきた美と技が揺るぎないものであることを示しているだろう。(小川雪)

 2010年1月17日まで。無休。

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