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【バーゼルワールド2010】進化するラグジュアリーブランド

2010年3月24日12時34分

写真:バーゼルSBB駅。ここから会場までトラム(路面電車)で15分程度=佐田美津也撮影拡大バーゼルSBB駅。ここから会場までトラム(路面電車)で15分程度=佐田美津也撮影

写真:時計のメーン会場ホール1・1階=佐田美津也撮影拡大時計のメーン会場ホール1・1階=佐田美津也撮影

写真:ブルガリ「ソティリオ・ブルガリ」。自社開発の自動巻きムーブメントを搭載。ケース径43ミリ、ステンレススチール。60万9000円(税込み予価)。9月発売予定。拡大ブルガリ「ソティリオ・ブルガリ」。自社開発の自動巻きムーブメントを搭載。ケース径43ミリ、ステンレススチール。60万9000円(税込み予価)。9月発売予定。

写真:シャネル「J12 MARINE」。自動巻き。ケース径42ミリ、ステンレススチール。49万9800円(税込み予価)。6月発売予定。拡大シャネル「J12 MARINE」。自動巻き。ケース径42ミリ、ステンレススチール。49万9800円(税込み予価)。6月発売予定。

写真:エルメス「クリッパー クロノ メカニック ダイバーズ」。自動巻き。ケース径44ミリ、チタン&ステンレススチール。69万3000円(税込み予価)。7月発売予定。拡大エルメス「クリッパー クロノ メカニック ダイバーズ」。自動巻き。ケース径44ミリ、チタン&ステンレススチール。69万3000円(税込み予価)。7月発売予定。

写真:グッチ「G−タイムレス」GMT。自動巻き。ケース径44ミリ、ステンレススチール。19万9500円(税込み予価)=佐田美津也撮影

拡大グッチ「G−タイムレス」GMT。自動巻き。ケース径44ミリ、ステンレススチール。19万9500円(税込み予価)=佐田美津也撮影

 時計好きも含めて、ファッション系あるいは宝飾系のラグジュアリーブランドの時計をアタマから敬遠する人が今でもいるようだ。これはまさに「食わず嫌い」もいいところで、本格的な機械式時計をラインナップしているブランドは少なくなく、デザインはもとより、機能や品質的にも優れたモデルが数多い。

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 もともと宝飾系の技法は昔から時計づくりにも反映されており、一体となって発展してきた。皮革製品などのブランドでも、エルメスでは1920年代から時計を手がけており、時計専業ブランドと比べても遜色はないといっていい。

 中でもブルガリは、ケースやブレスレットなどの専門メーカーを次々に傘下にして時計づくりを本格化。今年はその集大成として、完全自社開発によるオリジナル・ムーブメントを搭載した新作が登場した。

 また、200〜300メートル防水の本格ダイバーズモデルも、シャネルとエルメスがラインナップしている。

 こうしたラグジュアリーブランドの時計は、今年ピックアップした機械式コレクションの価格では20万円以下と50〜60万円前後で2つのボリュームゾーンを形成しており、財布にも魅力的な設定といえるだろう。

◆[ブルガリ]初の完全自社開発ムーブメント

 イタリアの代表的なジュエラーであり、時計も1940年代から手がけてきた。

 特に2000年に複雑機械式を得意とするジェラルド・ジェンタとダニエル・ロートを傘下にして、高品質・高機能な時計づくりのノウハウを獲得。さらに近年はブレスレットやケースの専門メーカーも買収して、時計部門の垂直統合を進めてきた。

 今年のバーゼルワールドから、その集大成ともいえる2つの大きな話題を紹介しよう。

 まず、初の完全自社開発ムーブメント「キャリバーBVL168」(自動巻き)を搭載した新作「ソティリオ・ブルガリ」。このコレクションは創業125周年を記念して2009年に登場したが、この新作ではケースもややサイズアップ。ユニークなラグ形状などは継承されており、オリジナル・ムーブメントの搭載で、ブルガリの新たな顔としての確かなポジションを確立したといっていいだろう。

 もう一つの大きな話題は、前述の2ブランドをブルガリ・ブランドとして吸収したことだ。ブルガリのロゴと各ブランドのロゴがダイヤルに併記されるだけでなく、デザインなどもブルガリのテイストを色濃く打ち出している。中でも薄型の「ブルガリ ダニエル・ロート プチセカンド」が秀逸。

◆[シャネル]300メートル防水のダイバーズ

 香水など様々なラグジュアリー・アイテムを手がけるブランドだが、1987年から本格的な工房を開設して時計づくりに取り組んできた。中でも2000年から登場した「J12」が、シャネルの時計を確固たるポジションに押し上げたといえるだろう。衝撃に強いハイテクセラミックをケースやブレスレットなどに使用、その独特の光沢やデザインで高い人気を集めてきた。

 ダイヤ・セッティングなど年々コレクションも拡充されてきたが、今年は何とダイバーズが新登場した。300メートル防水の本格派であり、ケースサイズも42ミリと38ミリの2種類。ただしダイバーズという機能性から、ベルトはセラミックでなくラバーを採用している。

 ダイヤルカラーはブラックとホワイト(38ミリのみ)の2種類あるが、潜水時間を計測できる逆回転防止付きベゼルにブルーセラミックを使用したモデルが魅力的。引き締まったイメージのブラックダイアルに鮮やかなブルーのコントラストが、シャネルらしい気品を感じさせる。

◆[エルメス]人気定番「クリッパー」をリニューアル

 バッグで超有名なブランドが時計を手がけたのは1920年代。実はスカーフよりも早く、1978年にはスイスのビエンヌに専門工房を開設している。

 世界的にヒットしたコレクションも数多く、船体にある窓枠をイメージしたベゼルのスクリューが特徴的な「クリッパー」もそんなロングセラーの一つ。今年はデザインを新しくすると同時に、バリエーションも広がった。ケース径では24ミリから44ミリまでの5種類となる。

 メンズの新作としては、シンプルな3針にデイト表示付きの「クリッパー39」と、200メートル防水の「クリッパー クロノ メカニック ダイバーズ」。後者の「ダイバーズ」では鮮やかなオレンジ色の針が視認性を高めているほか、チタンとステンレススチールのコンビによるブレスレットも新たに採用された(写真はオレンジのラバーベルト)。

◆[グッチ]GMTモデルが初登場

 バッグや皮革製品などでお馴染みのブランド。時計も定評が高く、フリーダ・ジャンニーニがクリエイティブ・ディレクターになってから、メンズ・コレクションが圧倒的に充実してきた。

 今年は「タイムレス」を基本コンセプトとして、自動巻きで3針、クロノグラフ、それに初のGMTモデルがラインナップされた。メーンの時分に加えて、赤い針が第二時間帯を表示するため海外旅行などに便利(現地時間と日本時間が分かる)なのだが、さらにダイヤルの上半分と下半分を異なった仕上げにしており(バイカラー)、それによって第二時間帯の昼と夜を示している。

 凝った作りにもかかわらず価格は20万円を切っており、その機能と合わせて人気を集めるのではないだろうか。

 また、レディスではベルトとベゼルを自分の手で簡単に取り替えられる「U−プレイ」に注目したい。各モデルに3つのカラーとマテリアルによるベゼルとブレスレットのセットが付く。価格は10〜11万円台になる予定(6月発売予定)。(ライター 笠木恵司)

アエラ・スタイル・マガジン 山本晃弘編集長から

 2000年にJ12が初めて発表されたときのセンセーションを覚えています。ベゼルやブレスレットに大胆に使われたセラミックが、スポーティでありながら、同時にエレガントでもあり。そして何よりも、「シャネルが手掛けた初のメンズウオッチ」というキャッチフレーズが印象に残ったのです。それまで香水以外に主だったメンズ商品を持たなかったシャネルが、本格的に男性市場を意識した瞬間のようにも思われました。

 腕時計を発表しているファッションブランドは数多くありますが、シャネルはその中でも確固たる地位を築いているように思います。それは、J12というアイコニックなモデルを持っているからに他なりません。ロレックスのデイトジャスト、オーデマピゲのロイヤルオーク、オメガのスピードマスター。人気のある時計ブランドは、「これ!」といわれる代表モデルを持っているものです。シャネルのJ12は、セラミックという新素材を使いながらも、シンプルで力強いデザインで、スポーツウオッチの王道といっても過言ではありません。

 もちろん今年のバーゼルでも、シャネルはJ12の新作を発表しました。300メートル防水、逆回転防止ベゼル、ラバーベルトといった本格的ダイバーズウオッチのスペックを持った「J12 MARINE」というモデルです。これまでの定番カラーであったブラックとホワイトに加えて、ブルーのセラミックベゼルを持つタイプも投入。深海を思わせる深く美しい青が、アイコンとしての地位を更に確固たるものにしそうです。(AERA STYLE MAGAZINE)

【バーゼルワールド2010】開幕 

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