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28歳「バーゼルワールド」出展の快挙 独立時計師

2011年5月24日11時12分

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写真:菊野昌宏さん。腕にはめているのがバーゼルに出した不定時法の腕時計拡大菊野昌宏さん。腕にはめているのがバーゼルに出した不定時法の腕時計

 スイスには大手メーカーに属さず、伝統技法による時計作りを続ける「独立時計師」と呼ばれる職人たちがいる。3月に開かれた時計・宝飾の展示会「バーゼルワールド」で、独立時計師協会(通称アカデミー)のブースに初出展。時計師としてデビューしたのが菊野昌宏さん(28)。日本人として初の快挙だ。

 協会加入には、会員2人による推薦と協会内での協議が必要になる。菊野さんは著名な独立時計師、フィリップ・デュフォーの推薦を受け、この狭き門をくぐり抜けた。

 「昨年11月、作った時計をデュフォーさんに見せ、『バーゼルに興味ある?』と聞かれたのがきっかけです」

 その時に見せた不定時法の腕時計を改良して出展した。不定時法とは1日を昼夜で分け、さらに6等分して「一刻」とする時間法。日本では江戸時代まで使われた。季節ごとに昼夜の長さが変わるので、時の長さも変化する。

 開発した腕時計は、針の速度は変えずに、文字盤上の数字のコマを動かすことで昼夜の変化に対応する。「開発期間は3カ月。思った通りに動いてくれた」という。

 時計作りに関しては天才肌だ。高校卒業後に勤めた自衛隊を辞め、「ヒコ・みづのジュエリーカレッジ」で時計修理を学び始めたのが2005年春。卒業後も学校に残り、独学で時計作りを学んだ。

 本を片手に図面を起こし、部品を手作業で削る。針が往復運動を行うレトログラードや重力の影響を平均化するトゥールビヨンも、「やってみたらできちゃった」と笑う。

 バーゼルの舞台に立って度胸もついた。「自分がつくった時計を世界の人に買ってもらい、食べていくのが理想です」と語る。(竹端直樹)

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