現在位置:
  1. asahi.com
  2. ライフ
  3. ファッション&スタイル
  4. 話題
  5. 記事

ジャンポール・ゴルチエ とらわれずに、解放

2011年6月28日10時18分

印刷印刷用画面を開く

Check

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

写真:7月6日にパリでオートクチュールコレクションを発表する予定。刺繍(ししゅう)など繊細な手仕事と大胆なカット、楽しい演出に会場はいつも沸き返る。写真は川瀬洋氏撮影拡大7月6日にパリでオートクチュールコレクションを発表する予定。刺繍(ししゅう)など繊細な手仕事と大胆なカット、楽しい演出に会場はいつも沸き返る。写真は川瀬洋氏撮影

 80年代からフランスを代表するデザイナーとして絶大な人気を得ているジャンポール・ゴルチエ(59)。時代の空気を敏感に感じ取るその創作意欲は、今もなお活発なようだ。

    ◇

 去年末に東京・銀座に開店した世界初のアンテナショップは、宇宙がテーマだとか?

 「店内の壁の、青から白へのグラデーションは地球、渦巻き模様は星雲と京都の石庭からのイメージです。地球を含む宇宙は今、様々なトラブルを抱えています。先端的な問題提起をしていこうとの意味を込めました」

 ファッションという「小宇宙」も、不況などによる危機を抱えています。

 「90年代以降のブランドビジネスの世界的な拡大に伴って、着る人がついてこられなくなったのだと思います。ケーキがいっぱいあり過ぎると食べる気がしないのと同じ。人々に夢を与えるためには、もっと業界をコンパクトにしてファッションに創造性を取り戻すことが急務です」

 エルメスのデザイナーをこの春夏物で退任しました。

 「敬愛していたエルメス社のデュマ元社長が去年亡くなり、また大手ブランドグループによる株の買収の動きもあって、エルメスへの思いも変わってしまいました。実験的な手法でヌーベルクチュールと呼ばれた私のやり方とエルメスの職人技によるパリの粋なエレガンスをつなごうとしたことはいい経験になった。ファッションには大資本だけでは解決できない部分があることを今後も信じたい」

 男と女、老人と若者、上着と下着など、様々な垣根を取り払おうとしてきましたね。

 「どんなものでも美しい、という見方があると伝えたかったのです。若くて完璧な体形でなくても、その人の個性をすてきに引き出せる。ファッションとは、宗教や文化、慣習にとらわれずに、全て取り込んで解放することだと思うからです」

(編集委員・高橋牧子)

検索フォーム


朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内事業・サービス紹介