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2012年6月24日10時39分
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すみだ職人の技と美、集結 東京ソラマチ「まち処」

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写真:「東京ソラマチ」にオープンした「産業観光プラザ すみだ まち処」拡大「東京ソラマチ」にオープンした「産業観光プラザ すみだ まち処」

写真:液だれのしない「岩澤硝子」のしょうゆ注ぎ(大1050円、小945円)拡大液だれのしない「岩澤硝子」のしょうゆ注ぎ(大1050円、小945円)

写真:手作業で多角形に削られた「大黒屋」の箸(3150円より)拡大手作業で多角形に削られた「大黒屋」の箸(3150円より)

写真:盆栽用の銅製如雨露を作る根岸修さん(如雨露は2万2050円より)拡大盆栽用の銅製如雨露を作る根岸修さん(如雨露は2万2050円より)

写真:「錺(かざり)金具」の技術で作る名刺入れ(5万2500円より)拡大「錺(かざり)金具」の技術で作る名刺入れ(5万2500円より)

写真:「錺(かざり)金具」の技術で名刺入れを作る塩澤カネさん(左)、政子さん親子拡大「錺(かざり)金具」の技術で名刺入れを作る塩澤カネさん(左)、政子さん親子

 東京スカイツリー(東京都墨田区)の足元に開業した大型商業施設「東京ソラマチ」に、地元の職人が作ったオシャレな雑貨や生活用品を展示・販売するスペースがオープン。訪れる人々の関心を集めている。

■箸・しょうゆ注ぎ・如雨露…

 「ソラマチ」の5階に生まれた施設は「産業観光プラザ すみだ まち処(どころ)」。650平方メートルという広いスペースの一角に、区が「すみだモダン」として認証した商品など、こだわりの“メード・イン・スミダ”の品々が所狭しと並ぶ。

 手作業で削られた多角形の箸。60年前の創業時からデザインが変わらず、液だれのしない、しょうゆ注ぎ。革素材を使った黒一色の風呂敷。伝統の職人技を駆使しながら、ただ懐かしいだけではなく、現代風にアレンジされた品々ばかりだ。

 墨田区産業経済課は「もともと職人や工場の多い、ものづくりの街。下請けで培った技術を使い、いかに最終商品を生み出すかという課題に取り組んできた」と語る。

 “スミダ”を看板にし始めたのは1985年。製造・販売を一体化した店舗づくりを推進したり、職人(すみだマイスター)を認定して技術をPRする運動などを展開。最近は、地元の職人と外部デザイナーとのコラボレーションや、優れた商品を「すみだモダン」として認証する「すみだ地域ブランド戦略」で、新商品開発を支援してきた。

 背景にあるのは、もの作りの現場そのものの激減だ。産業経済課の説明では、60年代後半、区内に約1万軒あった町工場は、2008年には約3400軒に減った。来年には3千軒を切るという予測もある。

 下請け、孫請けを脱して製品のブランド化を進め、いかにもの作りの灯を守るか。25年以上に渡る区と職人の取り組みが、今回「まち処」に並ぶ魅力的な商品群として花開いた形だ。年間売り上げは2億8千万円を目指す。

■海外への発信も視野

 寺社やみこしなどに使われる「錺(かざり)金具」の技術を応用、しんちゅう製の名刺入れを製作したのは塩澤製作所の塩澤政子さん(68)。しんちゅう板に、たがねで規則正しい地紋を打ち出し、木型で曲げて名刺入れに加工する。母親のカネさん(93)と一緒に作業をしても「1個の名刺入れを作るのに1週間かかる」という。根気のいる作業だが、「自分が楽しいから作っている。おみこしなどの決まり物だけでなく、たまには変わった物を作る方がおもしろいでしょ」と笑う。

 顔が映り込むぐらい表面が輝く「銅製如雨露(じょうろ)」を作っているのは、盆栽用如雨露メーカー、根岸産業の根岸修さん(68)。40年以上前、父が作るブリキの如雨露が問屋に買いたたかれる悔しさに一念発起。高級品の盆栽用銅製如雨露を作り始めた。

 昔からある盆栽用より、水が通るさお部分を長くし、水が出るハス口の一つ一つの穴の大きさを調整。均等で柔らかい水が出る如雨露を独自開発した。「最近は海外でも盆栽ファンが増えた。うちの如雨露は、ヨーロッパやアメリカにも輸出しているんです」と胸を張る。

 新しい東京のシンボルになったスカイツリーには、外国からも多くの観光客が訪れる。産業経済課は「国内だけでは広がりがない。海外に向けて情報発信できれば『まち処』を作った効果も上がる」と話す。(竹端直樹)

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