指揮◎マウリツィオ・ベニーニ(椿姫、アッティラ) ギヨーム・トゥルニエール(真珠とり) 合唱指揮◎エマヌエラ・ディ・ピエトロ フェニーチェ歌劇場管弦楽団・合唱団
原作◎ アレクサンドル・デュマ・フィス 台本◎ フランチェスコ・マリア・ピアーヴェ 作曲◎ ジュゼッペ・ヴェルディ 初演◎ 1853年3月6日 フェニーチェ座 演出: ロバート・カーセン ヴィオレッタ: パトリツィア・チョーフィ(ソプラノ) アルフレード: ロベルト・サッカ(テノール) ジェルモン: アンドリュー・シュレーダー(バリトン)
ヴェルディの作品の中でも最もよく知られた演目の一つ。イタリア・オペラの真骨頂とも言える。フェニーチェ歌劇場で初演された「椿姫」はこの歌劇場にとって記念すべき演目であり、今回は再建された劇場の柿落としに選ばれた。演出は、いま最も 注目を浴び、片時も目が離せない演出家カーセンが担当。文学作品に深い造詣を持 ち、オペラのみならず演劇でも国際的に活躍する彼はダイナミックな展開と奥深い心 理描写で欧米各国にて絶賛されている。今回どんな「椿姫」を見せてくれるのか、現 地でも期待が高まっている。 悲劇のヒロインを演ずるのはシエナ出身のチョーフィ。細身の身体、シャープな美 貌に絹のような滑らかな美声を持ち合わせた歌姫である。日本ではこれがデビューと なる。
ヴィオレッタのいちずな 愛が胸を打つ、純愛悲恋のオペラ パリの高級娼婦ヴィオレッタは美貌の力で放縦な生活を意のままにしているが、純粋 な青年アルフレードに恋を打ち明けられ、真実の愛に目覚める。二人は郊外で質素な 生活を始めるが、アルフレードの父ジェルモンがヴィオレッタの前に現れ、息子と別 れてくれと頼む。悩み苦しんだ末、彼女は彼のためにと考え家を出る。事情を知らず 裏切られたと思ったアルフレードは、心変わりを装うヴィオレッタに逆上、札束を投 げつける。終幕、胸を病み、床に臥すヴィオレッタの元に真実を知ったアルフレード が慌ててやってくる。二人はようやく愛を確かめ合うが、喜びもつかの間、彼女は彼 の腕の中で生き絶える。
原作◎ ヴェルナー「アッティラ フン族の王」(1808) 台本◎ テミストークレ・ソレーラ 作曲◎ ジュゼッペ・ヴェルディ 初演◎ 1846年3月17日 フェニーチェ座 演出・装置・衣裳: ワルター・レ・モーリ監修、 ヴェネツィア建築大学大学院デザイン芸術学科 アッティラ: ジョルジョ・スーリアン(バス) オダベッラ: ディミトラ・テオドッシュウ(ソプラノ) エツィオ: パオロ・ガヴァネッリ(バリトン) フォレスト: カルーディ・カルードフ(テノール)
舞台は452年のイタリア・ヴェネツィア。水の都誕生にまつわる壮大な歴史物語が幕を開ける。前回の公演で初来日し、「マリア・カラスの再来」と絶賛されて以来、 日本でも圧倒的な人気を博しているプリマ、テオドッシュウがドラマティックなヒロイン、オダベッラを熱演する。 舞台装置には焼失したフェニーチェ歌劇場の外壁や緞帳を再現し、この歌劇場へのオマージュと伝統を感じさせる舞台となっている。
ヴェネツィア誕生にまつわる歴史絵巻 フン族の王アッティラはヴェネツィア近郊のアクイレイアに入城する。領主の娘オダベッラは男達とともに戦っていたが、捕虜となりアッティラの前に差し出される。 アッティラはオダベッラの勇気をたたえ、彼女の所望した剣を渡す。彼女は密かに復讐を誓う。アッティラはローマの将軍エツィオの講和を拒否して軍を進めようとする。 オダベッラの恋人フォレストはアドリア海の干潟に逃れ、ここに新しい町を作ろうと決意する。これが後のヴェネツィアとなる。一方、アッティラにうまく取り入ったオ ダベッラには王妃の冠が与えられる。終幕、森の中、集まってきたフォレスト、エツィオ、オダベッラ。オダベッラを追ってきたアッティラを、三人はとり囲む。オダベ ッラはアッティラを一瞬のすきをついて刺す。すべて彼女の計算だった。ローマ軍が「復讐は成就した」と歌い上げる。
台本◎ ミッシェル・カレ/ウージェーム・コルモン 作曲◎ ジョルジュ・ビゼー 初演◎ 1863年9月30日 テアトル・リリック(パリ) 演出: ピエル・ルイージ・ピッツィ レイラ: アニーク・マッシス(ソプラノ) ナディール: 中島康晴(テノール) ズルガ: ルカ・グラッシ(バリトン) ヌラバッド: ルイージ・デ・ドナート(バス)
ビゼーが弱冠25歳で書き上げた3幕のオペラ。セイロン島(スリランカ)を舞台に命をかけて海に入る真珠取りたちの恋と宿命が美しいメロディによって展開する。 ナディールを演ずる中島康晴は、ミラノ・スカラ座研修所出身、リッカルド・ムーティの秘蔵っ子と呼ばれるヨーロッパ・オペラ界の期待の新星。日本では今回が本格的なオペラデビュー。ファンのみならず注目したいステージである。
セイロン島を舞台に、宿命に翻弄される 恋人達を描いた哀しくも美しい物語 セイロン島の海辺の村。頭領のズルガと漁夫ナディールは幼馴染だが、巫女レイラを巡ってライバルである。レイラは真珠とりのために祈る巫女として生涯処女を守る誓いを立てるが、ナディールの求愛に屈してしまう。二人はその償いとして死刑を命じられる。死に臨んで、母親に渡してくれと首飾りを差し出すレイラ。その首飾りはかつてズルガが命の恩人に渡したものだった。ズルガは翻意して、自ら村に火をつけ、混乱のうちに恋人達を逃がす。そしてひとり寂しく取り残されるのだった。