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BYOでマイ・ワインを楽しむ

2008年1月17日

  • 筆者・亜樹 直

イラスト

(C)亜樹直 オキモト・シュウ/講談社「神の雫」第10巻(週刊モーニング連載中)

 1月も半ばになろうというのに、ワイン好きの仲間から、「新年会をやりましょう」というお誘いがチラホラ舞い込んでくる。新年会が終るころは花見ワイン会をやろうと言い、桜が散るころはGWワイン会を、その次は納涼ワイン会……という具合に、我々ワインおたくは、さまざまな理由をつけて、1年中ワイン会を開いている。ただ単に酒を飲みたいわけではない。素晴らしいワインを仲間と飲んで、味や香りについて語り、互いの見識を高めあうのが一番の楽しみなのである。

 ワイン会の開催場所は、大抵の場合、ワイン持ち込みOKのレストランである。実は年末も、弟は弟の、私は私の仲間を集めて、それぞれ別のレストランでワイン忘年会を開いた。こういう時は、私も弟もマイ・コレクションを気前良く放出してしまう。どうせワインは一人で飲むものでもないし、賃貸ワンルームマンションを勝手に改造して造ったセラーも、そろそろ満杯になりつつあり、在庫を減らすためにも「集めるより飲もう」が、最近の姉弟の合い言葉になっているのだ。

 ちなみにワイン持ち込みOKの店は決して多くはないが、最近は徐々に増えており、『BYO』(Bring Your Own)と、シャレた呼び方もされている。「BYOできる店」と看板にあれば、ワイン持ち込みOKの店という意味だ。ただしBYOの店もいろいろで、1本あたりの持ち込み料を5000円も取る店、本数制限のある店、グラスの数が増える場合はグラスの数の分だけ代金を加算する店、そして高いワインを持ち込む場合は持ち込み料も高く取るというお店(私はこういう店には決して持ち込まない)など、対応はさまざまである。私が「この店なら持ち込んでも安心」と思うのは、事前に持ち込みワインの銘柄をキチンときいてくれる店だ。こういう店は、各々のワインとのマリアージュを考慮して、料理を作ってくれる。たいていの場合、料理も手の込んだおいしいものを出してくれることが多い。自宅近くの吉祥寺にもそんな店が3軒ほどある。

 一方、BYOをする側にも最低限のマナーがいくつかある。第一に、できれば会合の当日にワインを持ち込まないこと。ワインは揺らすと澱もたつし、疲れて味が落ちる。そんな状態のワインを持ち込むのは、BYOを許可してくれた店に対して申し訳ないと思う。お店と相談して、最低でも会合2日前にはワインを届けるなり送るなりしたほうがいい。第二に、お店のソムリエなどに持ち込んだワインを試飲してもらうこと。「こんなワインをもってきました」と、お店に知ってもらうのは、礼儀のひとつである。そこから会話が始まり、ソムリエといい関係が築ければ、ワイン会がますます楽しくなるだろう。そして第三に、お店のワインリストが公開されている場合は、リストにあるワインを持ち込まないこと。値段は持ち込んだ方が安いだろうが、これは失礼極まりない行為だ。最後に、安っぽいB級ワインばかりを持ち込むのはやめておこう。これは料理を出す側のやる気を損なうし、「夢のような味と香りを仲間で共有し、語り合う」という、ワイン会の本来あるべき姿を無視していると思うからだ。

 いくつかのルールを守れば、店で開くワイン会は、料理もおいしいし盛り上がる。また、一人では高くて手が出ない極上のワインも、仲間とワリカンでなら飲める。読者の皆さんも、今年はぜひ飲み仲間と“BYO”してみては?

■今回のコラムに関連するワイングッズ

  • 持ち込むときには「BYOバッグ」を

プロフィール

亜樹直(あぎ・ただし)

講談社週刊モーニングでワイン漫画『神の雫』を執筆。これは姉弟共通のペンネームで、2人でユニットを組んで原作を描いている。時に、亜樹直A(姉)、亜樹直B(弟)と名乗ることも。このコラムを担当するのは姉の亜樹直A。2人で飲んだワインや神の雫の取材秘話など、ワインにまつわるさまざまなこぼれ話を披露していく予定。

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