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コラム「おいしさ発見」

老少豆腐 〜ほどよく水切り食感残す〜

2007年04月01日

 豆腐発祥の地といわれる中国では、日本と同様、豆腐は家庭料理で最も多用される食材のひとつです。調理法も様々ですが、今回は、豆腐を崩したり、つぶしたりして使う料理をご紹介しましょう。こうすると、切って使うのに比べ、火も入りやすく、味ものりやすくなります。

写真老少豆腐 撮影・越田悟全

 豆腐とエビのすり身を蒸した一品は、中国では「老少豆腐(ラオシャオ・ドウフ)」などと言います。私がこの料理を覚えたのは1970年代。広東からきた料理人に教わりました。その名のとおり、子どもからお年寄りまでだれもが楽しめる、本当に優しい味の料理です。

 この料理のコツは、まず豆腐をほどよく水切りすることです。重しなどをのせると硬くなりすぎるので、ざるなどに10分ぐらいあげておけばよいでしょう。それから豆腐のつぶし方。粗つぶしをしますが、完全に裏ごししたようになめらかにしてしまうと、食感がなくなります。手でふわふわっとつぶしましょう。

 また蒸す時には、具材をてんこ盛りにしないこと。ちょっと小高いぐらいにして、表面をあまり平らに整えず、少し乱しておくと、火が通りやすくなります。

 最後にネギなどの香味野菜をのせて、できるだけ高温に熱した油をジャッとかけます。これは広東料理の特徴で、香りと味わいが広がって、食欲をそそります。

 「もう一品」は、細かく崩した豆腐とタラの芽のあえものです。タラの芽はふつう、あくをとるためにゆでますが、ここでは分量の半分を生のまま薄めに切って使いました。こうすることで、歯触りと香りがよくなります。塩味には、ザーサイや高菜の古漬けなど発酵したものを使うと味わいが一層広がります。

(「知味 竹爐山房」店主)


レシピ

【材料】(4人前)

木綿豆腐1丁(約300グラム)、小エビのむき身100グラム、A(塩ひとつまみ、コショウ少々、卵白半個分、片栗粉小さじ1)、B(ネギのみじん切り大さじ1、ショウガのみじん切り小さじ1)、ネギのみじん切り大さじ2、香菜のみじん切り適宜、C(塩ひとつまみ、コショウ少々、ゴマ油小さじ1)、D(老酒小さじ2、しょうゆ小さじ2、コショウ少々、スープ大さじ1)、仕上げのサラダ油大さじ2

(1)豆腐はあらかじめざるなどにのせて10分前後水切りをしておく。

(2)小エビはAの調味料で下味をつけた後、粗みじんにしておく。

(3)ボウルの中で豆腐を粗くつぶし、(2)のエビとBを合わせ、Cで下味をつける。やや深めの器にこんもりと盛り、強火の蒸し器で約18分蒸す。

(4)蒸し上がったら取り出し、ネギのみじん切りを散らす。仕上げのサラダ油を高温に熱し、ネギの上からジャッとかける。Dを混ぜたものを手早くかけて、香菜を散らす。


もう一品

 木綿豆腐半丁(150グラム=4人分)はよく水切りをして、7、8ミリ角に切ります。タラの芽は中太ぐらいのものを8本用意し、4本は塩ゆでにして冷水にとり、残りは生で使います。いずれもまず縦半分に切り、ゆでたものはやや厚めに、生はやや薄めにスライスします。

 戻した干しエビ、ザーサイ各大さじ1はみじん切り。みじん切りしたネギ大さじ2、ショウガ小さじ2、ゴマ油大さじ2、豆腐、タラの芽すべてを合わせてさっくりとあえます。味が薄ければ塩で調え、好みで香菜を添えます。



プロフィール

山本 豊(やまもと・ゆたか)
1949年、高知県生まれ。東京・湯島の湯島聖堂内にかつてあった、中国文化の普及に取り組む書籍文物流通会で中国料理の修業を始める。87年、東京・吉祥寺に「知味 竹爐山房(ちみ・ちくろさんぼう)」を開店

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