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コラム「おいしさ発見」

五目チャーハン〜一粒一粒 裏返すように〜

2007年04月18日

 数ある中国料理の中でも、家庭の食卓に登場する回数が多い料理といえば、チャーハンではないでしょうか。パラパラと香り高いチャーハンを作るためのコツをご紹介しましょう。

写真チャーハン 撮影・越田悟全

 鍋はなるべく表面積が大きいものを。鉄鍋で作る場合は、油を鍋によくなじませることが必要です。まず鍋を空炒(からい)りし、それからかなり多めの油を入れて鍋肌になじむようじっくり回します。2人前なら、大さじ3の油を鍋に残し、エビなどの具とネギをいためます。樹脂加工のフライパンを使う場合、油をなじませる必要はありませんが、材料をいためるときは、フライパンを十分熱しておくこと。こうするとべたつきません。

 材料をいためたら、卵を一気に入れ、八分通り火が通ったところで白飯を入れていため、ここで塩を振り入れます。塩は早めに入れて卵や油とともにご飯になじませると、まろやかなうまみにつながります。塩を入れるのが遅くなると塩味だけがとがってしまいます。

 さて、この状態で、鍋を大きく振って材料を空中に舞わせていませんか。業務用の非常に強い火力では必要な作業ですが、家庭用の火力でやると逆効果です。火からご飯が離れることで温度が下がり、べたつくからです。ご飯は鍋肌に軽くはり付けるようにして火を通し、極端に言えば一粒一粒裏返すような気持ちで焼きます。やたらと混ぜるのも粘りが出てしまいます。

 炊きたてのごはんが、おすすめな理由は、ほぐれやすいこと。すし飯を作るときのような気持ちで、ご飯を切るように、ほぐしながらいためるとおいしくできますよ。

(「知味 竹爐山房」店主)


レシピ

【材料】(2人前)

叉焼肉(チャーシュー)20グラム、小エビのむき身3匹、カニのほぐし身10グラム、ピーマン半個、白飯300グラム、溶き卵2個分、ネギのみじん切り大さじ2、A(塩、卵白、片栗粉、冷たい油各少々)、B(塩小さじ5分の2、うまみ調味料少々、コショウ少々)、日本酒小さじ半分

(1)チャーシューは7、8ミリぐらいの角切りにする。小エビはAで下味をつけたあと、1匹を4、5個程度のコロコロに切る。カニは軟骨を除き、ピーマンは種を除いて5、6ミリのサイの目に切る。

(2)白飯はできれば炊きたてがよい。少し硬めに炊いて軽くほぐし、広げて水分を蒸発させる。冷たい場合は手水をつけて、いためる前にほぐしておく。

(3)鍋をよく焼き、多めの油を入れてなじませる。大さじ3ぐらいの油を残して(1)とネギのみじん切りを入れて強火でいためる。

 卵を一気に入れて全体をいため、卵に八分通り火が入った頃合いをみて、白飯を素早く入れて軽くいためる。すぐにBの塩のみをまず振り入れ、全体を鍋肌に広げるよう手早くパラパラになるよういためる。香りが立ってきたらBの残りの調味料を入れ、最後に日本酒を鍋肌からジャッと振り入れて香りをつけ、器に盛る。



プロフィール

山本 豊(やまもと・ゆたか)
1949年、高知県生まれ。東京・湯島の湯島聖堂内にかつてあった、中国文化の普及に取り組む書籍文物流通会で中国料理の修業を始める。87年、東京・吉祥寺に「知味 竹爐山房(ちみ・ちくろさんぼう)」を開店

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