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コラム「おいしさ発見」

お惣菜3種〜砂糖使わず 歯ごたえ大事に〜

2007年04月25日

 子どもの頃から好きでないものに、ヒジキ、おから、切り干し大根がありました。食べ残すと必ず「体に良いんだから」と決まり文句です。今、なぜだったのか考えてみると、ヒジキは戻した黒い海藻がほかの野菜にからんで、見た目が美しくない。おからは豆腐屋さんで、洗面器などに山と盛られ、買いに行くのが恥ずかしかった。切り干し大根は乾燥しているときから、何とも嫌なにおいを放っている。こんなことが理由だったのかもしれません。

写真お総菜3種 撮影・越田悟全

 ところが13年ほど前の5月の初め、佐賀・唐津の陶芸家中里隆さん宅で、ヒジキをごちそうになった時のおいしさは、今も忘れられません。しゃりしゃりとした食感と、野菜の香り。しょうゆだけの味付けがとても新鮮でした。

 生ヒジキは入手しにくいので、乾燥ヒジキをぬるま湯に数分漬けて戻し、歯ごたえを残します。新のゴボウやニンジン、ハスやコンニャクは無香性ゴマ油でいため、出汁(だし)としょうゆで味付けます。煮上がる直前に梅肉を加えます。

 おからは何も難しいことは考えず、具になる野菜を多めの油でいためたら、そこに加え、焦げないようにいためます。味付けはヒジキと同じで、出汁としょうゆ。コツは煮汁が少なくなったら、アサリの時雨煮のような味の濃いものと、甘みのあるサツマイモなどの野菜を入れること。

 私どもでは毎日出る大根の皮を干しておきます。市販の切り干し大根でも構いません。煮あげてから、針ショウガをたっぷり加えましょう。

 今ではこの3種のお総菜は私の好物です。どれも砂糖を使わず、食材が本来持つ香りや甘みを楽しんでください。

(「重よし」主人)


レシピ

〈ヒジキ〉 乾燥ヒジキ30グラム、コンニャク100グラム、ゴボウ20センチ分、ニンジン45グラム、ハス60グラム、一番出汁100cc、しょうゆ20cc、梅干し1個分、油適宜

(1)ハスは半月の薄切り、他の野菜とコンニャクは細切り。油でいためる。

(2)ヒジキは数分、ぬるま湯で戻して湯通しし、(1)といため合わせる。出汁を加え、沸騰後、しょうゆを。煮上がる直前にたたいた梅肉をひと混ぜする。

〈うの花〉 おから300グラム、野菜(シイタケ、ゴボウ、ニンジン、空豆、コンニャクなど)計400〜450グラム、サツマイモ3分の1本、長ネギ1本、アサリの時雨煮小さじ1、油90cc、出汁900cc、薄口しょうゆ10cc

(1)イモ、ネギ以外の野菜を食べやすい大きさに切り、油でいためる。野菜に火が通ったらおからを合わせ、弱火にし、焦げないようにいため合わせる。

(2)出汁、しょうゆを加え、煮詰める。煮汁が半分以下になったら、さいの目切りのサツマイモ、小口切りのネギ、時雨煮を加え、煮詰めあげる。

〈切り干し大根〉 乾燥大根の皮50グラム、出汁400cc、油揚げ1枚、コンニャク100グラム、しょうゆ15cc、ショウガ1かけ

(1)大根の皮を一晩水につけ、細切りに。あく抜きしたコンニャク、油抜きをした油揚げを細切りにし、大根とコンニャクを油(分量外)でいためる。

(2)出汁を加え、沸騰したら油揚げ、しょうゆを入れて煮詰めあげる。最後に針ショウガを加えひと混ぜする。



プロフィール

佐藤憲三(さとう・けんぞう)
1944年、東京生まれ。22歳で日本料理の道へ。27歳のとき、修業先の名古屋の店の名古屋の店もらい、東京・原宿に「東京・重よし」を開店。

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