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コラム「おいしさ発見」

ハマグリのブルギニオン〜重宝する合わせバター〜

2007年05月02日

 エスカルゴはフランス人の好物のひとつ。エスカルゴそのものの好悪はさておき、「ブルギニオン」と呼ばれる料理に使う「エスカルゴバター」はとても使い勝手のよい合わせバターの一つです。僕が料理の世界に入ったころは、バターと何かを混ぜておく「合わせバター」をよく仕込んでおいたもの。ご家庭の冷蔵庫に作り置きしておいても、何かと便利です。

写真ハマグリのブルギニオン 撮影・越田悟全

 僕は、バターと混ぜる材料のうち、パセリ以外は火を通すことにしています。その方が味の「かど」が取れ、マイルドになります。そして、いためたマッシュルームなどにブランデーか白ワインを注ぐと、さらに味に深みが出ます。

 パセリをみじん切りにするときは、まな板の上で、パセリに水を適量振りながら切ると、より鮮やかな緑が出ます。軟らかくしておいたバターとパセリをよく混ぜ、塩やコショウ、レモン汁で味を調えたら、先ほどいためて粗熱を取ったマッシュルームと、アーモンドの粉やクルミなど、木の実を少量混ぜ合わせます。これでおいしいエスカルゴバターの完成です。

 国産ハマグリは少々高いですが、もちろん、味がとてもいい。いいものが手に入るときは、是非試してみてください。そうそう、実は僕はサザエを焼くには、断然、エスカルゴバターを使いたいんです。ハマグリと同じように湯に入れて身をはずし、刻みます。それをこのバターと一緒に貝に詰めて、上にパン粉をまぶして焼きます。もちろん、魚を焼いたり、肉を焼いたりした上に、ちょっとのせてもいい。いろいろ、使ってみてください。

 (「ル・マンジュ・トゥー」オーナーシェフ)


レシピ

 【材料】(5人前)

 ハマグリ5個、エスカルゴバター大さじ5、パン粉適宜

(1)ハマグリの殻をこすり合わせるようによく洗う。かぶるぐらいの量の湯を沸かし、中に入れる。貝の口が開いたらすぐに取りだし、身を殻からはずす。

(2)片側をはずした貝殻に身をのせ、上にエスカルゴバターを塗る。5個分できたら、パン粉を振り、オーブンまたはロースターで焼き目がつくまで数分焼く。

<エスカルゴバター> 無塩バター200グラム、マッシュルーム70グラム、ニンニク25グラム、エシャロット30グラム、アーモンド粉または刻んだ木の実10グラム、パセリ30グラム、塩7グラム、ブランデーか白ワイン50cc弱、レモン汁半個分、コショウ適宜

(1)バターを室温で軟らかくしておく。マッシュルーム、ニンニク、エシャロット、パセリはできるだけ細かいみじん切りにする。

(2)鍋にバター(分量外)を適量入れ、弱火でエシャロットをいためる。バターを吸ったらマッシュルーム、ニンニクの順に合わせていく。香りが立ったらブランデーかワインを注ぎ、かき混ぜながら水分を飛ばす。

 (3)バターにパセリ、コショウ、アーモンド粉、塩、レモン汁を加えてよく混ぜ合わせ、粗熱のとれた(2)も混ぜ合わせる。冷蔵庫で保存可能。



プロフィール

谷 昇(たに・のぼる)
1952年、東京生まれ。18歳から料理の道へ。37歳で2度目の渡仏。アルザス地方の三つ星店「クロコディル」で修業。96年から東京都新宿区の「ル・マンジュ・トゥー」のオーナーシェフに。

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