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コラム「おいしさ発見」

回鍋肉〜キャベツは事前に湯通し〜

2007年05月09日

 日本でよく知られている中華料理のひとつに回鍋肉(ホイコウロウ)があります。キャベツと豚バラが主な材料ですから、いつの季節でも作れるのですが、私の店では新キャベツが出回る今の季節だけのメニューです。新キャベツの軟らかさや甘さを楽しみたいからです。

写真回鍋肉 撮影・越田悟全

 しかし、軟らかな葉物には油がたくさん絡みやすいという難点があります。そこで、必要以上の油が絡まないように、キャベツはスープでさっと味をつけます。つまり、「いためる」のでなく、肉と「合わせるだけ」と考えていただくといいと思います。

 葉の部分を手で、一口大にちぎったら、硬い軸の部分は瓶などでたたいて繊維をつぶし、一口大のそぎ切りに。それをスープまたは塩を入れた湯にくぐらせ、湯通ししておきます。

 この料理のもう一つのカギは料理名の「回鍋」にあります。鍋に戻す、という意味ととらえてください。

 豚のバラ肉はブロックのまま30分ほどゆで、肉のうまみを封じ込めつつ、余分な脂を落とします。それを薄くスライスしてから、再度湯通しして、表面の余分な脂をすっかり落とします。その肉を油をなじませた鍋に「戻す」のです。いりつけるように焼き、ショウガやニンニクのみじん切り、味のベースとなる香辛料を鍋に入れます。そこにキャベツも加え、水溶き片栗粉で全体にみそだれを絡ませます。最後に山椒(サンショウ)油をまわしかけ、香りを付けたらできあがりです。

 野菜は、キャベツのほかに今回はピーマンとネギを使いましたが、タマネギや葉ニンニクなど、お好みの野菜を合わせてください。

(「竹爐山房」主人)


レシピ

 【材料】(2人前)

ゆで豚バラ肉130グラム、新キャベツ200グラム、ピーマン2個、長ネギ長さ10センチ分、ショウガのみじん切り大さじ1、ニンニクのみじん切り小さじ2、A(スープまたは水2カップ、塩少々)、トウバンジャン小さじ2、紹興酒または酒大さじ1、しょうゆ小さじ1、テンメンジャン大さじ2.5、スープ大さじ2、水溶き片栗粉小さじ2、あれば山椒油適宜

(1)ゆでたバラ肉は2、3ミリの厚さにスライスし、さっと湯通しする。

(2)キャベツは葉の部分を手でちぎり、軸の部分は瓶などでたたいてからそぎ切りにする。

(3)ピーマンは種を除いて、一口大に、ネギは斜め切りにする。

(4)鍋にAを合わせて沸かし、キャベツとピーマンをさっとくぐらせておく。

(5)中〜強火にかけた鍋に油(分量外)をなじませて、バラ肉の両面を鍋肌にいりつけるように焼き付け、ショウガとニンニクのみじん切りを加えて香りを立て、トウバンジャンを加える。

(6)香りが十分にたったら、紹興酒、しょうゆ、テンメンジャン、スープを加えてひと混ぜし、(3)のネギを加える。火が通ったら、キャベツとピーマンを合わせ、水溶き片栗粉を加え、全体にみそだれを絡ませる。あれば、仕上げに山椒油をまわしかける。



プロフィール

山本 豊(やまもと・ゆたか)
1949年、高知県生まれ。東京・湯島の湯島聖堂内にかつてあった、中国文化の普及に取り組む書籍文物流通会で中国料理の修業を始める。87年、東京・吉祥寺に「知味 竹爐山房(ちみ・ちくろさんぼう)」を開店

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