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コラム「おいしさ発見」

アジ・カマスの干物〜風に当て、うまみ引き出す〜

2007年05月16日

 炊きたてのご飯においしい干物。今も昔もこれほど簡単で身近なものはそうないと思います。それならば、干物作りに挑戦してもいいのではないでしょうか。難しいことは何もありません。たいていの小魚が干物になります。とりわけ少しくせがあったり、身崩れしやすく水気の多い魚、例えば、アジやイワシ、カマスやカレイなどが干物に適していると思います。

写真アジ・カマスの干物 撮影・越田悟全

 魚を塩でしめた後、余分な水分を風に当てて除き、その魚の持つうまみを引き出してあげる、それが干物のよさではないでしょうか。また、これらの魚は生のまま塩焼きにすると小骨がとても気になりますが、干物にすると身離れがよく、不思議と骨も軟らかくなるような気がします。

 アジやカマスは、5月ごろから秋まで脂がのっておいしくなります。そこでこれらを塩としょうゆの2種類の干物にしてみました。

 うろこをていねいに引き、頭を落とし、内臓をとってきれいに洗います。水気をふき取って、頭の方から包丁を入れて2枚におろします。魚の両面に塩焼きをする時と同じ程度の塩をあて、30分ほどおきます。かなり水分が出ますので、いったんきれいに水洗いをしてからざるなどに広げ、風に当ててください。1時間ほどで表面が乾き、身を押すと弾力のある状態になります。それを冷蔵庫に保存すれば、4日ほど持ちます。

 また、もし生臭さが気になった時は、お酒で身をふいてから焼くとよいでしょう。

 しょうゆ味の方は、しょうゆと酒、塩で漬け地を作り、下処理した魚を20分ほど漬けて干すだけです。目先が変わって、これもご飯のよいお供です。

(「重よし」主人)


レシピ

 【材料】(4人前)

アジ2匹、カマス2匹、塩大さじ2、漬け地(しょうゆ40cc、酒180cc、塩3グラム)

(1)アジとカマスのうろこを引き、胸びれの下から包丁を入れ、頭を落とす。内臓を取ってきれいに水洗いする。水気をしっかりふき取ったら、頭の方から包丁を入れ、二枚におろす。

(2)アジとカマス各1匹に、両面から塩をふり、そのまま30分置く。水分がかなり出てくるので、きれいに水洗いをしてから、盆ざるに広げ、ベランダなどの風通しのいいところに1時間ほど干しておく。表面が乾き、身を指で押すと弾力があるくらいでちょうどいい。冷蔵庫で保存可能。

(3)しょうゆと酒、塩を合わせて漬け地を作る。そこに残りのアジとカマスを漬け、20分ほど置く。魚の大きさや脂ののり具合によって漬け時間は調節する。脂がのっているときは、やや長めに漬けるとよい。

(4)(2)と(3)の魚を焼き、食べやすい大きさに切り分ける。

 写真はハマボウフウのおひたしを添えています。ほかにも、三つ葉やホウレンソウのゴマあえなど、しゃりしゃりした食感のものを添えると合うような気がします。他に、けんちん汁などがあれば、立派な食卓になりまね。



プロフィール

佐藤憲三(さとう・けんぞう)
1944年、東京生まれ。22歳で日本料理の道へ。27歳のとき、修業先の名古屋の店の名古屋の店もらい、東京・原宿に「東京・重よし」を開店。

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