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コラム「おいしさ発見」

殻付きエビの煎り焼き〜殻ごとジュッうまみ満喫〜

2007年05月30日

 エビの身を軟らかく、甲殻類ならではのおいしさを引き立てたい。そんな時、「蒜茸煎醸中蝦(スワンロンジェンニャンジォンシャ)」はもってこいだと思います。日本語で言うと、「殻付きエビの煎(い)り焼きニンニク風味」。私が20歳ぐらいの時、台湾の方に習った料理で、「煎(ジェン)」という焼き方がポイントです。

写真殻付きエビの煎り焼き 撮影・越田悟全

 エビはどんな種類でもいいのですが、ブラックタイガーなどが手に入りやすいでしょうか。体長が10センチ前後の中型のものをお求め下さい。

 頭を落として殻付きのまま、背に包丁を入れ、背開きにします。背わたはとりますが、開いた後に水洗いすると、うまみが逃げてしまいます。また、味がのりやすいように、左右の半身のそれぞれ真ん中に縦1本、切り目を入れておくといいでしょう。

 塩とコショウ、小麦粉を水で溶き、味の付いた「のり」を作り、これをエビの身に塗っておきます。後でのせる具との接着剤の役割もありますが、身に直接熱をあて、身が硬くなるのを防ぐ役目もあります。パセリとニンニクのみじん切りを、のりを塗った部分にのせます。

 少し多めの油を敷いたフライパンに、エビの身を下にして、鍋肌にくっつけるように焼きます。少し焦げ目が付くぐらいでもいいですよ。ふたをします。身の方から十分に火が通ったら、ひっくり返して、殻側を煎り付けるように焼きます。これが「煎」。甲殻類だからこそ、殻ごと料理して、うまみや香ばしさを堪能しましょう。この時はふたはしなくて大丈夫です。

 最後に、紹興酒を全体に振り入れ、足りなければ塩コショウで味を調え、できあがりです。

(「竹爐山房」店主)


レシピ

 【材料】(3、4人分)

殻付きエビ(中)12匹、ニンニクのみじん切り大さじ1、パセリのみじん切り大さじ2、片栗粉適宜、油大さじ2〜3、紹興酒小さじ2、塩、コショウ各適宜

A(小麦粉大さじ2、塩ひとつまみ、コショウ適宜、水大さじ1)

(1)エビは殻付きのまま背開きにして、背わたをとり、縮むのを防ぐために腹部の白い筋も除いておく。この時、洗わないようにする。

(2)ニンニクとパセリを混ぜ合わせ、片栗粉をまぶしておく。

(3)Aを合わせて塩味の利いた「のり」を作り、エビの身に塗って、(2)を盛りつけるようにまぶす。

(4)フライパンにやや多めの油を敷き、ニンニクなどを盛った方を下にして入れる。お玉などで上から押すようにして、フライパンに煎りつける。ここでふたをして、全体に火が通るようにする。多少焦げ目が付いた方がおいしい。

(5)身に火が入ったらひっくり返し、香ばしい香りが立つまで、殻側も焼き付ける。この時ふたはしない。

(6)仕上げに紹興酒と塩、コショウを全体に振り入れてすぐに火を止める。



プロフィール

山本 豊(やまもと・ゆたか)
1949年、高知県生まれ。東京・湯島の湯島聖堂内にかつてあった、中国文化の普及に取り組む書籍文物流通会で中国料理の修業を始める。87年、東京・吉祥寺に「知味 竹爐山房(ちみ・ちくろさんぼう)」を開店

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