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コラム「おいしさ発見」

夏野菜の冷製〜食感と持ち味たっぷり〜

2007年07月25日

 梅雨も明け、夏を迎えると、多くの和食店ではいろいろな夏野菜を煮て、冷やした料理を献立に入れることがあります。普通は1品ずつ別々に味をつけた汁の中でひと煮立ちさせ、鍋ごと冷まして味をのせていきます。何より大切なことは、それぞれの野菜の食感と持ち味を引き出してあげること。「決して味は濃すぎないよう、過度の甘さは控えて」などと思いながら作りたいと思います。

写真夏野菜の冷製 撮影・越田悟全

 しかし、もっと失敗しにくく、かつ十分野菜の持ち味を引き出す方法がないだろうかと思いついたのが、煮汁に漬け込む方法でした。煮崩れもなく、ご家庭でも簡単だと思います。

 まず、少し甘みをつけた煮汁、薄いしょうゆ味の煮汁の2種類を用意し、冷ましておきます。野菜はカボチャ、小ナス、新レンコン、オクラ、ミョウガを用意しました。カボチャは蒸して、熱いうちに甘めの煮汁に漬けます。小ナスは素揚げして、これも熱々のうちに、別の器に入れた甘めの煮汁に漬けます。

 新レンコンはあくがそう強くないので、薄い塩水か酢水にいったんさらしておくと、ほかの野菜と一緒に扱えます。多めの湯にあく止めしたレンコン、ミョウガ、オクラの順番にゆでて一緒にざるにあげ、熱いうちに薄いしょうゆ味の煮汁に漬け込みます。

 熱々のものを冷たい煮汁に入れると色も鮮やかに残り、簡単に味ものります。3時間ほど冷蔵庫に入れておけば、十分おいしい冷製のできあがりです。ガラスの器や薄手の磁器、水にくぐらせた焼き締めなどに盛ります。涼しさを感じさせる演出も、この季節ならではのものです。

(「重よし」主人)


レシピ

 【材料】(4〜6人分)

 カボチャ400グラム、小ナス10本、レンコン1節、ミョウガ10本、オクラ10本

 甘めの煮汁(出汁(だし)540〜550cc、砂糖18〜20グラム、しょうゆ15cc、薄口しょうゆ15ccを合わせて沸かし、冷ましておく)

 薄いしょうゆ味の煮汁(出汁540cc、薄口しょうゆ15ccを合わせて沸かし、冷ましておく)

(1)カボチャは食べやすい大きさに切り、皮を所々むき、串が通るくらいまで蒸す。小ナスはへたを落として、味がのりやすいように、先の方に十文字の切り込みを入れるか、縦に包丁目を入れておく。中温の油で素揚げする。

(2)冷めた甘めの煮汁を半量ずつ別々の容器に入れ、そこに蒸し上がった熱々のカボチャ、揚げたての小ナスをそれぞれ漬け込む。冷蔵庫内で3時間ほど置けば味がのる。

(3)レンコンは皮をむいて7ミリ程度の厚さに輪切りにする。薄めの塩水か酢水にしばらくさらし、あく止めする。ミョウガとオクラはよく洗い、オクラのがくを落としておく。

(4)大鍋に湯を沸かし、塩ひとつまみを入れ、あく止めしたレンコンを入れる。1分ほどしたら、ミョウガ、さらに一煮立ちしたらオクラ、の順番に入れる。そこから1〜2分たったら、すべての野菜をザルにあげる。レンコンを両脇から指ではさんでしなる程度がゆであがりの目安。

(5)(4)の野菜を熱々のうちに薄いしょうゆ味の煮汁に一緒に漬け込み、冷蔵庫で3時間ほど置く。



プロフィール

佐藤憲三(さとう・けんぞう)
1944年、東京生まれ。22歳で日本料理の道へ。27歳のとき、修業先の名古屋の店の名前をもらい、東京・原宿に「東京・重よし」を開店。

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