現在位置:asahi.com>>コラム>おいしさ発見> 記事

コラム「おいしさ発見」

チェズタァルゥミェン〜ナスのうまみ スープに〜

2007年09月12日

 タァルゥミェンは、チャンポンのような具だくさんの汁そばです。もともと北京の宮廷料理で、宮仕えの役人たちも、夜食に食べたそうです。

写真

チェズタァルゥミェン 撮影・越田悟全

 お抱えのコックが覚えたものを、家に帰って奥さんたちに伝え、一般に広まったのかも知れません。

 冬なら具は白菜ですが、今回は、いまの季節においしいナスを使いました。干してうまみを凝縮し、さらにこんがり焼くことで、香ばしい「だし」が出ます。

 ナスは縦にスライスし、盆ざるなどに広げて天日に1、2時間干してください。水気が飛んでしんなりしたら、食べやすいように半分に切って、油を入れた鍋で焼き色がつくまで3分ほど、じっくり煎(い)り焼きします。

 ナスを鍋からいったん取り出したら、肉をいためます。この時、店では、たくさん作り置いているサンショウ油を使いますが、家庭ではそうもいきませんね。

 まず粒ザンショウだけを油でいため、香りを移して取り出せば、鍋にサンショウ油が残ります。そこへ肉を入れていためます。しっかり焼くことで、よい味が出ます。

 スープを加えたら、ナスが煮くずれない程度に煮込みます。片栗粉で薄くとろみをつけ、溶き卵を回し入れ、ゆでためんにかけます。

 中国の家庭では鶏のスープでなく、水を使うことも多いようです。

 例えばほかにも、ネギとニンニクをいためたところへ水を注ぎ、ニンジンのすりおろしを入れる初夏の汁物があります。スープを使わなくても、焼いたり、いためたりした野菜がだしの役割をする、調理の工夫です。

(「竹爐山房」主人)


レシピ

 【材料】(めん1玉分)

 中華めん1玉、ナス2個、豚バラ薄切り肉50グラム、キヌサヤ5枚、卵1個、粒ザンショウ小さじ2、A(ネギ5センチ分のそぎ切り、ショウガ1片分のそぎ切り、ニンニク1片分のみじん切り)、B(紹興酒大さじ1、しょうゆ大さじ1杯半、スープ3カップ、コショウ少々、うまみ調味料適宜)、水溶き片栗粉適宜

(1)ナスはヘタを落とし、皮付きのまま厚さ1センチに縦にスライスする。格子目に軽く包丁を入れ、1、2時間天日に干す。1枚を斜めに半分に切る。

(2)豚バラは太めの千切りにし、キヌサヤは筋を取っておく。鍋にたっぷりの湯を沸かし、めんをゆでる準備をする。

(3)中華鍋にやや多めの油を熱し、ナスの両面をじっくりと煎り焼きにする。少々焦げるくらいに焼き付け、よい香りがしてきたら、いったん取り出して油を切る。

(4)同じ鍋に油大さじ2(分量外)を入れ、粒ザンショウをいため、香りを立ててから粒ザンショウだけを取り出す。豚バラを入れていためほぐし、香ばしくいためたらAを加えてさらによくいためる。Bの調味料とスープ、ナスを加えてしばらく煮る。

(5)キヌサヤを加え、水溶き片栗粉で薄くとろみをつける。卵を溶いて回し入れ、火を止める。

(6)めんをゆで(一般的なめんで2分くらい)深鉢に盛り、汁を注ぐ。



プロフィール

山本 豊(やまもと・ゆたか)
1949年、高知県生まれ。東京・湯島の湯島聖堂内にかつてあった、中国文化の普及に取り組む書籍文物流通会で中国料理の修業を始める。87年、東京・吉祥寺に「知味 竹爐山房(ちみ・ちくろさんぼう)」を開店

この記事の関連情報

このページのトップに戻る