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コラム「おいしさ発見」

がんもどき〜季節の野菜入れて楽しむ〜

2007年09月19日

 がんもどきは大変おいしいものです。大根、コンニャク、里芋などと煮ても相性が良い。普通は市販のものを求められると思います。豆腐の水気を切り、野菜を刻むのは大層手間がかかるし、それを揚げるとなると、はねるに違いない、と思われがちですが、そんなに難しくはありません。ぜひ、一度試してみてください。

写真

がんもどき 撮影・越田悟全

 豆腐は上質のものを選び、さらしに包んで軽く重しをかけます。水気は切れば切るほど豆腐のうまみを損ないますから、耳たぶぐらいの硬さになったら、すりおろしたヤマトイモと一緒にすり鉢でよくあたります。卵白をつなぎに、下味を薄くつけます。

 通常、ニンジン、ゴボウ、キクラゲ、ユリ根などを下煮してから用いますが、私は刻んだ野菜を水にさらしただけで作ってみました。野菜がぷんぷんと香り、甘みも残り、この方がおいしいように思えます。

 ここで注意するのは、比較的低温で、じっくりと揚げることです。また長時間煮たり煮汁を沸騰させたりすると、白濁し、がんもどきのうまみが外に出てまずくなります。

 なぜ、がんもどきに挑戦してほしいかと言えば、季節とともに変わる野菜を入れて楽しんでほしいのです。春にはタケノコ、フキ、秋にはキノコ類、栗などを利用すると楽しみと味わいが倍加します。それが既製品にはない作り手の作品になります。

 ただ、具を入れすぎると揚げている時に爆発することがあります。具を1割程度にすれば、はねることはありません。がんもどきはあくまでも豆腐料理。ぜひこのおいしさを味わって下さい。

(原宿「重よし」主人)


レシピ

【材料】(4人前)

豆腐3丁(600グラム)、卵白3分の1個分、ヤマトイモ30グラム、具=計60グラム(ゴボウ、ニンジン、ユリ根、キクラゲ、ギンナン、サツマイモなど)、だし900cc、酒90cc、しょうゆ大さじ1強、揚げ油適宜

(1)豆腐をさらしで包み、重しをかけて、耳たぶの硬さになるまで水切りをする。

(2)具を用意する。ゴボウ、ニンジンは細切りに、サツマイモは小さなさいの目に切る。ユリ根は1枚ずつはがしてそぎ切りに。ギンナンは十字に4分割。キクラゲは戻して細切りにする。水に軽くさらして、水気を切る。

(3)すり鉢でヤマトイモをすりおろし、豆腐を入れてすり、卵白を加えてさらにする。塩またはしょうゆ(分量外)で薄く下味をつける。

(4)具を生地に混ぜ、好みの大きさに丸める。

(5)揚げ油を160度程度の低温(生地を入れるとぷくぷくと泡立つ程度)に熱し、揚げる。

(6)揚がったがんもどきを湯の中に落とすか、熱湯をかけ、油ぬきする(この手順は抜いてもよい)。

(7)分量のしょうゆと酒で調味しただしにがんもどきを入れ、15分ほど弱火で煮て火を止め、味を含ませる。食べる前に温め、煮汁と共に盛りつける。

〈追記〉具は、季節の野菜や家庭にあるものを生かし、お好みで。



プロフィール

佐藤憲三(さとう・けんぞう)
1944年、東京生まれ。22歳で日本料理の道へ。27歳のとき、修業先の名古屋の店の名前をもらい、東京・原宿に「東京・重よし」を開店。

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