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コラム「おいしさ発見」

キノコの黒コショウいため〜キノコに油ほどよく〜

2007年10月03日

 中国の人々は、健康を保つ食べ物として、キノコに絶対的な信頼を寄せています。前菜、主菜、デザートまで幅広く使え、ひとつのコース料理の中に何度登場しても構わない、フリーパスの食材です。

写真

キノコの黒コショウいため 撮影・越田悟全

 広東の料理に、乾燥キノコと野菜を一緒に蒸すスープがあります。キノコは干すと老熟した味になり、周りにだしを補う役目をします。

 一方、生のキノコの場合は、外から風味をつけます。黒椒芫爆菌蕈(ヘイ・ジャオ・イン・バオ・ジュン・シュン)は、黒コショウと香菜をきかせた、いためものです。

 最近スーパーなどでも見かけるヤナギマツタケに、エリンギ、シメジを合わせましたが、生のナメコ、マイタケ、マッシュルーム、エノキダケなど何でもよいでしょう。ニンニクをたくさん入れるとおいしいのですが、焦げやすいので、まずキノコを先にいためます。もう少しいためたいな、と思う程度に火が通ったら、真ん中を空けてニンニクのみじん切りを入れます。塩を振り、粗びきのコショウをたっぷり入れます。

 最後に入れる香菜は、パセリやミツバ、セロリの葉など香りの強いほかの野菜で代用できます。

 ポイントは、いためた後にざるに揚げ、余分な油を切ることです。イタリア料理では、たっぷりのオリーブオイルにキノコを浸した状態で供しているのを見かけます。中華は少し違い、過ぎたる油は切ってから器に盛るという考え方をします。

 キノコはすべてスポンジ状なので、一度油を切っても、まだ中にはたっぷり含まれています。残った油をほどよしとして、食べるのです。

(「竹爐山房」主人)


レシピ

 【材料】(4人前)

キノコ計350グラム(ヤナギマツタケ、エリンギ、シメジなど)、ニンニクのみじん切り小さじ2、塩ひとつまみ、黒コショウ、香菜適宜

(1)ヤナギマツタケ、シメジは石づきを除いてほぐす。エリンギは縦に四つ割りにして、ほかのキノコに合わせた大きさに、斜め切りにする。香菜は粗みじんに刻んでおく。

(2)鍋に多めの油(3分の1カップ程度)を熱し、キノコをいためる。

(3)鍋の真ん中を空けてニンニクを加え、しんなりするまでいためる。

(4)塩と、黒コショウをやや多めに振り入れて、香菜の粗みじん切りを散らし入れる。

(5)ざるに揚げて余分な油を切り、器にこんもりと盛る。

 キノコを油でいため、コショウや香菜を入れず、しょうゆをたらしてもよい。全く違う味が楽しめる。

〈もう1品〉

 広東でよく食べられている家庭風のスープ。一口大に切ったニンジン、レンコン、トウガン、大根などの野菜と、干しシイタケなどの乾燥キノコ、干しエビを器に入れ、水、紹興酒、塩を合わせて注ぐ。蒸し器で1時間ほど蒸す。



プロフィール

山本 豊(やまもと・ゆたか)
1949年、高知県生まれ。東京・湯島の湯島聖堂内にかつてあった、中国文化の普及に取り組む書籍文物流通会で中国料理の修業を始める。87年、東京・吉祥寺に「知味 竹爐山房(ちみ・ちくろさんぼう)」を開店

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