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コラム「おいしさ発見」

クロックムッシュ〜「薄くバター」が伝統の味〜

2007年11月14日

 今回は少し趣向を変えて、カフェなどが出す軽食をご紹介しましょう。クロックムッシュは、薄切りのグリュイエールチーズとハムをはさんだホットサンドイッチです。

写真

クロックムッシュ 撮影・越田悟全

 フランスでパンと言えば、当然、バゲットなどのフランスパン。サンドイッチもほとんどの場合、フランスパンに具をはさみます。

 ただクロックムッシュだけは、食パンを使うのです。そこでフランスでの修業時代には、日本の食パンが恋しくなると、よくカフェでこれを頼みました。

 「クロック」はフランス語で、カリカリかじるという意味。手早く小腹を満たすものですから、軽い仕上がりを目指します。

 食パンはなるべく薄いものを選んでください。ここでは10枚切りを使いました。両面に、ごくごく薄くバターを塗り、さっとトースターで焼きます。パンが温まってバターの香りがたつぐらいで結構です。ハムとチーズをはさみ、焼き色がつく程度に焼きます。グリュイエールチーズはこくがあって加熱すると溶けるのが特徴で、フランスでは普段着のチーズです。

 日本でもこのメニューをよく見かけますが、たっぷりのバターで焼いてあったり、ピザトースト風だったりと、アレンジされた形のものも多いようです。何が正統かは時代が決めることでしょうが、クラシックなスタイルが忘れられていくのは、寂しい気持ちもします。

 もう一品、クロックマダムも一緒に。ベシャメルソースを使う分、ボリュームがあります。半熟の目玉焼きをのせてテーブルへ。

(「ル・マンジュ・トゥー」オーナーシェフ)


レシピ

〈クロックムッシュ〉=写真奥

【材料】(1人前)

食パン薄切り2枚、ハム1枚、グリュイエールチーズ薄切り2枚、バター適宜

(1)パンの両面にバターを薄く塗る。

(2)オーブントースターで、バターの香りが立つ程度に軽く焼く。

(3)1枚のパンにハムとグリュイエールチーズをのせ、上にもう1枚のパンをのせる。

(4)オーブントースターで軽く色がつく程度に焼く。


〈クロックマダム〉=写真手前

【材料】(1人前)

食パン薄切り1枚、ハム1枚、グリュイエールチーズ(粉)大さじ1、バター適宜、卵1個、ベシャメルソース(バター10グラム、小麦粉10グラム、牛乳150cc)

(1)ベシャメルソースを作る。バターを鍋に入れ、小麦粉を加え、極弱火で焦がさないように全体を練るように合わせる。牛乳を加えながら、全体がきれいに混ざり合うまで、木べらで練る。

(2)パンの両面にバターを薄く塗り、オーブントースターで軽く焼く。

(3)パンにベシャメルソースを薄く塗り、ハムをのせる。

(4)ベシャメルソースをとろりとかけ、粉のグリュイエールチーズをまんべんなく振る。

(5)オーブントースターで焼き色をつける。

(6)卵を目玉焼きにして、上にのせる。



プロフィール

谷 昇(たに・のぼる)
1952年、東京生まれ。18歳から料理の道へ。37歳で2度目の渡仏。アルザス地方の三つ星店「クロコディル」で修業。96年から東京都新宿区の「ル・マンジュ・トゥー」のオーナーシェフに。

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