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コラム「おいしさ発見」

干小魚花生〜辛さの中に大豆のうまみ〜

2007年11月21日

 四川や広東でよく使う食材のひとつに豆●(トウチ)があります。大豆を発酵させて干したもので、日本の浜納豆に似ています。塩、しょうゆ、みその三つの役割をかねる万能の調味料です。

写真

干小魚花生 撮影・越田悟全

 今のように調味料の種類が多くなかった30年ほど前、中国料理界では大きな位置を占めていました。

 千葉県柏市にある「知味斎」という店に勤めていたころのことです。台湾から招かれた調理師が、まかない用にと豆●と唐辛子をいためただけの「豆●辣椒(ラジャオ)」を作ってくれました。

 ご飯にのせてひと口食べると、火を噴きそうな辛さ。でも、慣れると、辛さの中に発酵した大豆の深いうまみが感じられ、やみつきになったものです。

 この豆●辣椒をベースに様々な具をいためれば、ご飯にぴったりのおかずができます。肉やタケノコ、戻した干しシイタケなども合いますが、春はフキ、秋はサツマイモのツルなどでお試しください。

 今回はカルシウム豊富な「干小魚花生」です。台湾では小料理屋の突き出しとしておなじみの常備菜です。いためることで香ばしく、油でコーティングした状態になり、日持ちがします。

 チリメンジャコは硬めに干したものでも結構ですし、年配の人なら軟らかめの方が食べやすいでしょう。魚を塩ゆでした塩分が残っていますから、それを差し引いて味付けします。

 カリッと歯ごたえのよいナッツと、チリメンジャコは相性が抜群です。ピーナツの代わりに松の実やクルミでもよいでしょう。(「竹爐山房」主人)

●=豆へんに支


レシピ

 【材料】

チリメンジャコ100グラム、ピーナツ50グラム、ワケギ2本、唐辛子3本、刻んだ豆●大さじ3、ショウガのみじん切り小さじ2、ニンニクのみじん切り小さじ1、ゴマ油大さじ1、紹興酒大さじ1、しょうゆ小さじ2

(1)ワケギは1センチぐらいの斜め切りにする。唐辛子は水で戻し、種を除いてぶつ切りにしておく。

(2)鍋に多めの油をなじませて大さじ3杯分くらいを残し、ゴマ油を加え、ショウガ、ニンニク、ワケギ、唐辛子、豆●をいためる。

(3)香りが立ったらジャコを加え、紹興酒、しょうゆを加えていため合わせる。

(4)ピーナツを加えてなじませ、バットに広げて冷ます。

写真左はチリメンジャコの代わりに、煮干しより小ぶりのウルメイワシの干物を使ったもの。ウルメイワシはボウルに入れて湯をかけ回し、すぐに湯を切ってふたをし、5分ほど蒸らしてから使う。手順はチリメンジャコの場合と同じだが、香味野菜より先にいためて水気を飛ばしておくと、日持ちがよくなる。



プロフィール

山本 豊(やまもと・ゆたか)
1949年、高知県生まれ。東京・湯島の湯島聖堂内にかつてあった、中国文化の普及に取り組む書籍文物流通会で中国料理の修業を始める。87年、東京・吉祥寺に「知味 竹爐山房(ちみ・ちくろさんぼう)」を開店

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