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コラム「おいしさ発見」

シュワン・ロウ〜北京風鍋で体ぽかぽか〜

2007年12月19日

 クリスマスのごちそうといえばローストチキンが定番ですが、がらりと目先を変えて、北京風のしゃぶしゃぶは、いかがでしょうか。

写真

シュワン・ロウ 撮影・越田悟全

 中国料理の「●(さんずいに「刷」=シュワン)」という言葉は、熱湯にさっとくぐらせるという意味です。北京の名物料理のひとつに、羊肉の薄切りを使った「●羊肉(シュワン・ヤン・ロウ)」があります。本場では円卓の真ん中に銅製の「火鍋」を据えて、周りに何種類もの薬味と、様々な具材を置きます。さらにその周りに銘々皿を並べ、にぎやかに食べます。

 薄切り肉はすぐ火が通るので、のんびり構えてはいられません。皆、競うように立ち上がり、肉をはしで挟んだまま離さずに、スープに泳がせます。

 肉でおなかが満足したら、だしが出たスープに、今度は野菜や豆腐を入れます。豆腐はそのままでも結構ですが、一晩凍らせて、自家製の凍り豆腐を作ってみて下さい。スポンジ状になり、味をよく含みます。

 たれはベースになる味を8割方作っておきますが、あとの2割は、食べる人が香味野菜や調味料を加え、自分の味を作ります。このベースのたれは、どんな肉や魚、野菜もおいしく食べられる、不思議なたれです。

 最後はくずきりや春雨、中華めん、うどんなどを入れて、スープのうまみを残さず吸わせましょう。

 中国では羊は体を温める食材とされ、寒さの厳しい北京の冬には欠かせない食材です。ラムが手に入りにくい場合は、好みの肉でお試し下さい。今回は、牛肉や豚肉もあわせたアレンジ版を「●肉」として紹介しました。

(「竹爐山房」主人)


レシピ

【材料】(4人前)

ラムもも肉、鶏胸肉、牛しゃぶしゃぶ用肉、豚しゃぶしゃぶ用肉各200グラム、白菜2、3枚、春菊半束、木綿豆腐1丁、くずきり適量、ネギ半本、鶏がらスープ適量

ベースのたれ〈芝麻醤(または練りゴマ)大さじ4、酢大さじ5、しょうゆ大さじ4、豆瓣醤(トウバンジャン)小さじ2、スープ大さじ5、紹興酒、ゴマ油、サンショウ油各大さじ1、ネギ5センチ、ショウガ20グラム、ニンニク2かけ〉

その他〈豆腐乳(トウフルゥー)、蝦醤(シャジャン)、沙茶醤(サーチャージャン)、辣油、黄ニラ、香菜〉

【作り方】

(1)豆腐はあらかじめ一晩以上冷凍し、解凍してひと口大に切る。

(2)ラム、鶏胸肉は厚さ2〜3ミリの薄切りにする。白菜は下ゆでし、春菊は太い茎を除いて葉の部分を摘み、くずきりは戻し、いずれも食べやすい大きさに切る。ネギはそぎ切りにする。

(3)ベースのたれは、まずボウルに芝麻醤を入れ、酢以下の材料を順に加えながらよく溶きのばす。香味野菜はすべてみじん切りにして加える。

(4)土鍋にスープを沸かし、ネギを加え、具を入れる。ベースのタレに、あればその他の調味料や香味野菜を好みで加え、具をつけて食べる。

※豆腐乳は豆腐を、蝦醤はアミやエビを発酵させた調味料。沙茶醤は干した魚介やニンニクが原料で、バーベキューソースのように香ばしい。



プロフィール

山本 豊(やまもと・ゆたか)
1949年、高知県生まれ。東京・湯島の湯島聖堂内にかつてあった、中国文化の普及に取り組む書籍文物流通会で中国料理の修業を始める。87年、東京・吉祥寺に「知味 竹爐山房(ちみ・ちくろさんぼう)」を開店

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