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コラム「おいしさ発見」

白子のムニエル〜香ばしく中まで熱々〜

2008年01月16日

 冬の味覚であるタラの白子は、フランスとは比較にならないほど日本人に親しまれている食材です。それをムニエルにして、外は香ばしく、中まで熱々に仕上げます。この熱さが、ムニエルならではの特色です。白子の濃厚さを味わうポン酢あえや鍋料理といった和食の手法とは異なった形で、おいしさを引き出します。

写真

白子のムニエル 撮影・越田悟全

 実は、たこ焼きに通じる味わいだと思っているんです。意外なたとえですか? 口に入れるとまずかりっとした香りと熱さに触れ、かむと、内側のとろりとした熱い汁があふれる。僕は、一つの皿が、味、香り、食感の三つの要素を備えるよう料理を構成していますが、この料理では白子一つで、この三要素が表現できます。

 白子は新鮮なものを選び、焼く30分ほど前に塩と香草粉のエルブ・ド・プロバンスを振っておきます。嫌なにおいを除くことができます。

 小麦粉を薄くまんべんなくまぶしたら、オリーブオイルを気持ち多めに敷いたフライパンですぐに焼きます。あまり動かさずじっくり、焼き過ぎかと思うくらいしっかり焼き、中心部分まで熱くしてください。

 ソースは、ベシャメルソースの応用です。基本の比率より牛乳を多くして、そこにロックフォールチーズを加えて作ります。白子を焼く前に作っておき、鍋にふたをしておいてください。ふたがないと表面に皮膜が張り、ダマの原因になります。焼き上がった白子にかける前に、再度火にかけて温めます。

 ホウレンソウのバターソテーを付け合わせにしました。(「ル・マンジュ・トゥー」オーナーシェフ)


レシピ

【材料】(2人前)

 タラの白子140グラム、塩、エルブ・ド・プロバンス(香草粉)各少々、オリーブオイル、小麦粉各適宜、ソース(バター10グラム、強力粉10グラム、牛乳200cc、ロックフォールチーズ(なければブルーチーズ)50グラム、塩、コショウ、パセリ各少々)、ホウレンソウ適宜

 (1)タラの白子を、房をつぶさないように食べやすい大きさに分け、塩と香草粉をふり、30分ほど冷蔵庫で置く。

 (2)ソースを作る。バターを鍋に入れ、強力粉を加え、ごく弱火で焦がさないよう、全体を練るように合わせる。牛乳を加えながら、全体がきれいに混ざり合うまで木べらで練る。塩、コショウで調味し、ロックフォールチーズを加え、スプーンでざっくりと混ぜ、みじん切りのパセリを加える。

 (3)ホウレンソウをゆでてバターソテーにする。

 (4)白子に小麦粉を薄くまぶす。フライパンを強火にかけ、オリーブオイルを敷き、白子を入れる。途中で中火に落とし、なるべくさわらずにじっくり両面をこんがりと焼く。

 (5)白子をキッチンペーパーに取り、油を切り、ホウレンソウを敷いた皿に盛る。上から温かいソースをかける。

〈追記〉エルブ・ド・プロバンスは、「プロバンス地方のハーブ」という意味で、タイム、ローズマリー、ロリエなどを混ぜたスパイス。乾燥させた粉が市販されている。



プロフィール

谷 昇(たに・のぼる)
1952年、東京生まれ。18歳から料理の道へ。37歳で2度目の渡仏。アルザス地方の三つ星店「クロコディル」で修業。96年から東京都新宿区の「ル・マンジュ・トゥー」のオーナーシェフに。

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