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コラム「おいしさ発見」

お弁当〜味、食感 組み合わせて〜

2008年03月12日

 今回は「お弁当を作ろう」です。我々にとって弁当は、つね日ごろの仕事がはっきり表れるものです。

写真

お弁当 撮影・越田悟全

 現在、様々な場所でお弁当を売っています。それだけ需要が増えているということでしょうし、大変に手間がかかり、面倒くさいと思われる方が多いのでしょう。

 でも、行楽、花見などは別にして、普段の弁当は本来、前日に作った残り物などを入れて、彩りよくバランスのとれたものになるよう、工夫して作ったはずです。そう考えれば簡単です。また、到来物、市販の瓶詰などにも、おかずにふさわしい物があります。

 弁当は決してぜいたくに作るものではないというのが、私の持論です。食べながらの満足感に加え、作ってくれた人の顔が思い浮かぶ弁当が、理想です。

 今回の弁当のおかずは、この2年間にこの欄で紹介した料理の中から抜粋して作りましたので、品数が多いかもしれません。

 白いご飯に漬けもの、好みの味の卵焼きに焼き魚、季節の野菜の煮染め、これだけでご馳走(ちそう)になります。たったひとりのためだけに作った弁当ですから。

 一つのおかずを食べたら、迷うことなく次はこれを、と箸(はし)がすすむよう、甘辛、食感の違いなどを考えておかずを組み合わせます。これで、いつも変化に富んだお弁当になります。冷めた白いご飯のおいしさも、実感できると思います。ほんの少しの手間で豊かさが味わえる弁当作りをなさってみてはいかがでしょう。

 この連載も私の担当は最終回です。おつきあいいただきありがとうございました。

(原宿「重よし」主人)


レシピ

〈卵焼き〉

【材料】(2人前)卵2個、だし30cc、調味料(しょうゆ小さじ1強、砂糖小さじ2)、油適宜

(1)卵をボウルに割り入れてほぐし、だし、調味料を加えて混ぜる。卵焼きを甘くしない場合、調味料は薄口しょうゆ小さじ3分の2のみにする。

(2)卵焼き器(あるいはフライパン)を中火にかけ、油を薄くのばす。油臭くならないよう、溶き卵を少し入れてみて、じゅっと音がする程度によく熱する。

(3)溶き卵を少量流し、巻く。巻き込んだ卵は鍋の片側に置き、再び油を敷いて、同じ要領で繰り返して焼き上げる。粗熱を取り、切る。

〈鶏肉のから揚げ〉

【材料】(2人前)鶏もも肉1枚、ショウガ1片、しょうゆ大さじ1、コショウ、片栗粉各適宜

(1)鶏肉は一口大に切ってボウルに入れ、しょうゆをからめる。汁気を切り、ショウガのしぼり汁とコショウをふり、味を染みこませるようもみ込む。べたつきが出てきたら、片栗粉をまぶす。

(2)180度の油でさくっと揚げる。

●ほかのおかず

筍(たけのこ)の煎(い)りだし(掲載は06年4月1日)/アサリと小松菜の辛子あえ(06年5月20日)/酢レンコン(07年2月17日)/新ジャガイモの煮っころがし(07年3月31日)/筑前煮(07年10月17日)/鮭(さけ)の粕(かす)漬け(07年11月28日)



プロフィール

佐藤憲三(さとう・けんぞう)
1944年、東京生まれ。22歳で日本料理の道へ。27歳のとき、修業先の名古屋の店の名前をもらい、東京・原宿に「東京・重よし」を開店。

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