2010年3月31日
ひりょうず 撮影・大山克巳
うちで食べたいおかず、作りたいおかず。みなさんの声を募って始めた「おかず100選」もきょうが「卒業式」です。
100品目は、関西でいう、ひろうす、ひりょうず(飛竜頭)。ポルトガルの揚げ菓子「FILHOZES」がもとで、江戸時代に豆腐料理になり、京都のおばんざいとしても親しまれてきました。がんもどきともいいます。
「うちでつくると好きな具がたっぷり入れられて格別ですよ」と家庭料理研究家の土井信子さん。生地のあわせ方と揚げ方がコツです。
生地が水っぽくならないよう、木綿豆腐はしっかり水切りを。土井さんはふきんで包んだ豆腐に砥石(といし)をのせます。つなぎになる山の芋は粘り気の強さが持ち味。皮をむき、ふきんで包んで持ち、すり鉢にあてます。そこへちぎった豆腐を加え、すり混ぜます。すりこぎ1本だと手が疲れるので、土井さんはすりこぎ「2本流」。両手に持ち、交差させてすっていきます。ここはちょっと力仕事。「つぶつぶが残らず、すりこぎの手応えが重くなるまで十分に。ねばーっとすりこぎにからみつく感じよ」
具を加えるとき、ユリ根は崩れないよう最後に。お好みでヒジキやエビ、ゴボウ、シイタケ、時季には枝豆を入れても。季節の味を楽しんで。
揚げ油は鍋の深さ1.5センチ余り入れ、165度ほどにします。油に入れた生地が、ちょっと下に沈んでゆっくり上がってくるぐらいが目安。生地を小判形に丸め、手からそっとすべらすように油に入れ、きつね色になるまで5、6分じっくり揚げます。
黄金色のひりょうず。さあ、揚げたてをほおばってみてください。外はカリカリ、中はフワフワ。豆腐の甘みが口中に広がります。
◇栄養ワンポイント
豆腐に白ゴマ、キクラゲなど具だくさんで食物繊維やカルシウムが豊富。衣をつけない素揚げなので、ダイエット中の人も安心して食べられる。
献立例=ごはん、シジミのみそ汁、エビとタケノコの薄くず煮、根ミツバのおひたし
(管理栄養士・宗像伸子)
◇
「おかず100選」の後半50回をまとめた『続・ていねいなおかず』(朝日新聞出版・税込み1365円)が4月20日に発売。前編と合わせると100のレシピがそろいます。全国の書店、ASAでお買い求めいただけます。
■ひりょうず
1人前257キロカロリー、塩分2.5グラム
【材料】(4人前=8個分)木綿豆腐550グラム(豆腐の大きさによるが1丁半ほど)、山の芋50グラム、ニンジン30グラム、キクラゲ5グラム、ゆでギンナン8個、グリーンピース大さじ2、ユリ根30グラム、白いりゴマ大さじ2、溶き卵3分の2個分、調味料(みりん大さじ1、薄口しょうゆ小さじ1、塩小さじ1と3分の1)、サラダ油適宜、大根おろし150グラム、しょうゆ少々
(1)木綿豆腐はふきんで包み、まな板などを重しにしてのせ、1〜2時間水切りをしたら、ふきんにくるんでざっとつぶす。
(2)ニンジンは3センチほどの千切りに、ギンナンは半分に切る。キクラゲは水でもどし、細切りに。ユリ根は1枚ずつはがし、さっとゆでる。
(3)すり鉢で、皮をむいた山の芋をすりおろす。とろっとしたら、豆腐をちぎって加えてすり、さらに溶き卵、あわせた調味料を加え、粘り気が出るまでよくすり混ぜる。
(4)ニンジン、キクラゲ、ギンナン、グリーンピース、ユリ根、白ゴマを入れ、混ぜあわせる。これを8等分し、くっつかないよう手にゴマ油(分量外)を少々ぬり、小判形に丸める。
(5)揚げ油を165度に熱した中に、丸めたものを一つずつ静かに入れる。返しながら、全体がきつね色になるまで5、6分じっくり揚げる。
(6)皿に盛り、おろし大根を添えたところへしょうゆを少々たらす。
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