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おかず練習帳

アクア・パッツァ お魚丸ごと料理しよう

2010年5月5日

  • 料理・脇雅世

写真撮影・大山克巳写真魚に切り込みを入れる時間   写真清水加奈子さん

 丸ごと一匹の魚料理が、今回のテーマ。出盛りの魚を手に入れたら、休日の腕まくりです。ウロコを取ったことがない? 大丈夫です。難関に感じる下処理は、魚屋さんに頼みましょう。

 「『丸ごと』の魅力は骨からでるうまみ。切り身にないおいしさを実感できます」と料理研究家の脇雅世さん。

 小さめのタイを選び、南イタリア名物の「アクア・パッツァ」を作ります。「暴れる水」という意味で、現地では焼き目をつけた魚に水をかけながらグツグツ加熱しています。これを脇さんは、ふたをして蒸し煮する方法に変えました。蒸気の力で身がしっとり。余熱で中骨まで火を通せば、生焼けや、煮すぎてパサパサの心配がなくなります。

 魚につける塩味は、身の重量の1%が目安。丸ごとのタイは、頭などアラの分量が半分ほどあるので調節して。塩をふったら室温で15分おきます。冷たい状態で焼き始めないのは、肉と同じです。

 ポイントは火加減。水を注いだらふたをして一番の強火で勢いよく蒸気をたてます。少し弱めてそのまま2分、火を止め余熱で5分。仕上げにオリーブ油をたらり。アサリの口は開きトマトはやわらか。「だし」の出る素材が、ごちそうに仕立ててくれます。

 フライパンごと食卓に出して取り分けます。骨の多い部分は左のイラストを参考に、うまくよけます。スプーンの縁で軽く押せば、皮に切り目が入ります。上身を外したら尾と頭を折って中骨を取り、下身も同様に。安心してパクリとほおばってください。

 タイのほか、メバルやカレイ、イサキと季節の白身で作れます。スズキやサケなど大きな魚なら切り身でどうぞ。

レシピ

 【材料】(4人前)

 小ダイ2匹(1匹約300グラム)、アサリ200グラム、オリーブ油大さじ2、ミニトマト6個、黒オリーブ10個、ニンニク1片、イタリアンパセリ適宜、水150cc、塩小さじ3分の2

 (1)タイはウロコとエラ、内臓を取り除く。よく水洗いして水気を切る。盛りつけた時に上になる側の、背の厚みに沿って切り込みを骨にあたるまで入れる=写真。塩を魚の両面とおなかの中にふって、室温で15分ほどおく。

 (2)アサリは砂出しし、殻をこすって洗う。ミニトマトは大きければ半分に切る。ニンニクはみじん切りにする。

 (3)タイの水分をペーパータオルでふく。

 (4)フライパンにオリーブ油大さじ1を中火で温め、タイの切り込み側を下にして並べる。皮に焼き色がついたら裏返す。ニンニクを散らしてひと呼吸したら、アサリ、トマト、黒オリーブを鍋の空いたところに入れ、水を注ぐ。

 (5)ふたをして強火にする。ふたの間からシューッと蒸気が出たら火を少し弱め、中火で2分ほど蒸し煮にする。味をみて、塩気が足りなければ加える。火を止めて5分ほど蒸らす。

 (6)イタリアンパセリのみじん切りを散らし、オリーブ油大さじ1をかける。

   *

 1人前約175キロカロリー、塩分1.3グラム、脂質13.5グラム(栄養計算・清水加奈子)

キッチン掲示板

■1週間単位で

 1回の食事で、栄養バランスを取ろうとしても現実とのギャップに悩むばかり。食事制限のない人なら1週間単位で帳尻があえば上々。肉、魚、卵、乳製品、大豆と、たんぱく源は偏りなく取り、不足する野菜は毎回たっぷり、主食はめん類のカロリーが高いと覚える。献立がたてやすくなります。

 食事を控えているのに、皮下脂肪が減らない人に多いのが、肉や油を「太る」と避けて糖質に偏っているパターン。総カロリーを減らしても、必要なたんぱく質や油をとれば空腹感がなく、間食に手も伸びません。私も焼き肉は大好き。前後で調節すれば、禁止しなくていいのです。足りないものが無意識に食べたくなる、体の声が聞こえる状態を保つことが大事です。

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