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おやじの昼めし 京橋玉次郎のお品書き

ユニークなパスタ店 銀座「ジャポネ」

2010年6月29日

  • 筆者 京橋玉次郎

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とにかく大変な量

 出てきた楕円のでか皿を見て少し後悔した。なんてったってすごい量だ。数値にすれば550gだそうだ。お茶でも飲みながら食せば、体重が0.6kgほど増えることになる。完食できるかどうか不安がよぎる。乾麺にして2.1mmという明星食品へ特注のアルデンテのパスタにかぶりつく。1.2〜1.7mmくらいが普通なのだから相当の太さだ。

 エビ、肉、シソの葉、トマト、シイタケ、オニオンなどいろいろ入っている。とりわけ小松菜の緑が鮮やかだ。しょうゆ味でいかにも日本風の味付けになっている。一口ほおばった印象は、「讃岐うどんの炒め物か!」と紛う太さと腰の強さ。しかしうどんよりはもっちりしているし、なによりベチャベチャしていない。しっかり腹にたまりそうなパスタだ。

気になった行列

 現役であくせく汗をかいていた時代は、銀座界隈はほとんど無縁。高速道路下のこの辺りは足を踏み入れたことはなかった。最近、時々通りがかるようになり、何の変哲もない通路にいつも男たちの行列が出来ているのが目にとまった。好奇心につられ列の先をたどってみたら、立ち食い蕎麦屋のようなカウンターだけの、創業30年というパスタ屋があった。それがジャポネだった。

 で、長い行列を避けて午後2時過ぎに訪ねてみた。15脚のカウンターは満席だが、待ちは数人だけだった。席に着く前に注文を聞かれたので、一番人気をたずね、「ジャリコ」を頼む。盛りがレギュラー、ジャンボ(大盛り)、横綱とあったが、普段より少々遅いため、空腹感のままジャンボを頼んだ。これが冒頭の後悔となったわけだ。

エネルギーあふれる光景

 パスタは10種類ほどあり350gで500円か550円。増量メニューは200gずつ。安い・うまい・早いが店のモットー。聞いて驚いた。常連の中にはメニューにはないケタ外れの大盛りを頼む人がいるらしい。量にして1150g。ちょっと信じられない量だが、体育会系のその人らはそれを食べるのが楽しみで時々来るとか。馬のように爽快に食べる姿を、機会があったらみたいものだ。

 5000kカロリー、2重バーナーの強力な火力で屈強な男二人が、目の前ででっかいフライパンを操っている。油をカッカッとたたきつけるようにフライパンにいれ、むんずと茹でおいた麺をつかみ、文字通りわしづかみにして放り込む。ガッシガッシとひたすら炒める。店も客もなにやらエネルギーを発している。

若くなくなるということ

 そんな店内をながめながら思った。年をとると空腹の感覚と肉体とのずれに、自分自身が戸惑うことがある。若い頃、気障(きざ)に言えば「青春時代」とでもいうべきか、そんな頃はあれも食いたいこれも食いたいと思い注文すれば、胃袋は十分にその欲求に対応した。食欲と胃袋はイコールだった。

 が、ある頃から時々胃袋が感覚についてゆかなくなった。その頃から感覚に0.9とか0.8とかの一定の係数をかけるようにしているのだが、本日はつい油断してしまった。なぜかセルフのガソリンスタンドを連想しつつ、改めて自戒したのであった。

【お店データ】

ジャポネ

中央区銀座1−2番銀座インズ3 〈地図〉 03−3567−4749

営業:〔平日〕午前10時30分〜午後8時

  :〔土曜〕午前10時30分〜午後4時

日祝休み

<本日食したランチ>

ジャリコ大盛り  700円

プロフィール

京橋 玉次郎(きょうばし・たまじろう)

 週2、3回のジム通いで運動不足を解消中。京橋・銀座・日本橋・八重洲・八丁堀中心の雑食的な昼めし散策のほか、天気のよい日に肩の力を抜いてサイクリングに出かけるのも楽しみ。元大手マスコミに勤務、不規則・不健康な記者生活36年だった。好奇心強く少し天邪鬼。1946年生まれ身長175センチ、A型。

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