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おやじの昼めし 京橋玉次郎のお品書き

【連載100回超え記念】当世ランチ考

2010年8月24日

  • 筆者 京橋玉次郎

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楽しみはいろいろ

 この欄も100回を数えた。これを機にちょっとランチについて考えてみた。私はグルメでもないし評論家でもない。ごく平均的(多分)なおやじが日々ランチを食べ歩き、自分として合格点を出した店を手がかりに、楽しみながらとりとめもなく書いているに過ぎない。

 楽しみというのは食べ物それ自体だけではない。その食べ物からの連想あるいは店のたたずまい、あるいは従業員の立ち居振る舞い、あるいはロケーションなども興味の対象となるし、そこから想起するあれこれやの妄想が楽しい。時にはあらぬ妄想が果てしなくひろがり、食したものの味や名前が記憶に残らずあわてることもある。

大原則は安くてうまいこと

 外食ランチは、社食や手作り弁当ほど財布に優しくはないが、夕食ほどの財政出動なしに多彩な食を楽しむことが出来る。蕎麦でも寿司でも洋食でも、店によって様々な違いがある。貧富性別の差なく平等にいえることは「人生の持ち時間には限りがある」ということ。回数も限られている食事なら、義務で食すより積極的に楽しみたい。

 ランチの価格は安くてうまいに越したことはない。まずは3桁、この界隈だと800円前後から900円前後が最大多数の相場だろう。料理次第で4桁へ少し出ることもあり、たまにはささやかだが奮発するときもある、といったところ。これは若い人も年配の人も大きな差はないと思われる。みんなが同じ土俵上で勝負しているようなものだ。ただ、当欄は週に1回なので、3桁にあまりこだわっていない。

カフェで至福のひととき

 昼めしにとれるのは45分から1時間前後の限られた時間ではあるが、コースを選べば、帰りに本屋をのぞいたり、カフェに立ち寄って一休みし、読みさしの文庫本を1ページ進むこともできる。ある種至福の一瞬でもあるし、気分転換ともなる。

 所用を兼ねたランチ後の銀座、4丁目のカフェからの景色。日本一地価の高いことでも知られる交差点は1日中人通りが絶えない。まったく沢山の人だ。様々な人種も混在している。そんな群衆も、それぞれに立ち入れば背中一杯に悩みや喜びや怒りを背負い、希望を持ったり絶望したりしながら懸命に生きている。

今を体感する

 この世で将来にわたって確実という事柄なんてあまりない。しかし私を含め、眼下の人々も100余年たてば誰もこの世に居ない、ということは確実にいえる。「土蔵の中で100年生きるのと、市中で30年生きるのと、その経験を比較してみるがいい・・・」、人情を描く名人・山本周五郎の作中人物の言葉を思い出す。人との出会いと同様、一食の昼めしも大事にしたい、とまでいうと力が入り過ぎだが、時に「今ここに在ることの重み」を体感する瞬間がある。

【お店データ】

*今回はありません。

プロフィール

京橋 玉次郎(きょうばし・たまじろう)

 週2、3回のジム通いで運動不足を解消中。京橋・銀座・日本橋・八重洲・八丁堀中心の雑食的な昼めし散策のほか、天気のよい日に肩の力を抜いてサイクリングに出かけるのも楽しみ。元大手マスコミに勤務、不規則・不健康な記者生活36年だった。好奇心強く少し天邪鬼。1946年生まれ身長175センチ、A型。

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