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おやじの昼めし 京橋玉次郎のお品書き

安くて多くて遅くまで 銀座「悟空」

2010年10月19日

  • 筆者 京橋玉次郎

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何を基準に選ぶか

 ランチで店を選ぶ際、そのときの気分や状況でいろんな基準がある。うまいところ、近いところ、量の多いところ、雰囲気がよいところ、景色がよいところ、安いところ、なじみの親父さんや女将さんがいるところ、遅くまでやっていること、・・・、などなど。また、一人で行くか仲間と行くかでも違う。

 悟空の場合は、安くて量があって3時までやっているのがありがたい。この日出向いたのは2時過ぎ、危うくランチを食いっぱぐれかねない時刻。それでも奥に細長い店内はサラリーマンらしき若い男性でにぎわっていた。さらに一人二人と入ってくる。ずいぶん遅い昼めしだ。さすがに東京の盛り場というのはいろんな生活形態の人がいるものとあらためて感心。

牛肉は200g

 日変わりと迷ったがランチの最豪華版である「牛肉のオイスターソース」を注文してみる。近くのテーブルの若者たちの料理が例外なく量が多いので、「おそらく」と推測していたが、やはりすごい量の牛肉のオイスターソース炒めが出てきた。

 肉とたっぷりのたまねぎやにんじんやピーマン、それにとろみのついたオイスターソースを絡めた料理だ。味は比較的薄めで見た目ほどの濃厚さはない。肉は結構歯応えがある。ま、価格相応というところだろう。驚くべきはその分量、肉だけで200gだという。それにたっぷりの野菜が加わり、山のようになっている。

ヘルメットなみ?

 マーボトウフ定食、チャーハン、中華丼が680円。日替わり定食、チャーシュー麺、ヤキソバが780円。銀座の相場としては安い。しかもどの料理も量が多い。よく見るとメニューには小さく注意書きのようにこんなことも書かれている。チャーハンについてだ。「小盛=適量、普通=他店の大盛、中盛大盛=無料だけど多いよ、特盛=プラス100円でヘルメット並み」。

 ひとつはなれたテーブルでは数人の若者が、談笑しながらいかにもうまそうにもりもりとたべている。ご飯の量までは分からなかったが、お代わりをしている人もいた。人でも人以外でも、一心不乱にうまそうにものを食う姿というものは、見ていてなにやら感動的でもある。食うという行為が、生きるということの根源のエネルギーを発散させているからなのか。

色即是空

 ところで店の名前、悟空。子どもの頃読んだ西遊記の登場人物、いや人物で無く猿だ。何気なく記憶に残っていたが、今改めて文字を眺めるとすごい名前だ。色即是空 空即是色の空。それを悟る。なんと意味深長な名であることか。

 西遊記の悟空は、如意棒を片手に筋斗雲(きんとうん)に乗り、時々お灸をすえられながらも三蔵法師の弟子であり師を護る強い英雄で、一度聞くと忘れがたい名前だ。最近の子どもたちはマンガの主人公としてその名を知っているらしい。だから店名も覚えやすい。そして場所も分かりやすい。昭和通を京橋から銀座1丁目に入ってすぐの右側、見逃すことはないだろう。

【お店データ】

悟空

東京都中央区銀座1−15−7 〈地図〉 03−3566−0059

営業:午前11時〜午後3時、午後5時〜午後11時

日曜休み

<本日食したランチ>

牛肉オイスターソース  880円

プロフィール

京橋 玉次郎(きょうばし・たまじろう)

 心身のリフレッシュに週2、3回スポーツジム通い。京橋・銀座・日本橋・八重洲・八丁堀界隈の雑食的な昼めし散策のほか、天気のよい日に肩の力を抜いてサイクリングに出かけるのも楽しみ。時には温泉泊まりの輪行で古い街道を走ったり峠を越えたりも。元大手マスコミに勤務、不規則で不健康な記者生活36年だった。好奇心強く少し天邪鬼。身長175センチ、A型。

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