現在位置:
  1. asahi.com
  2. ライフ
  3. 食と料理
  4. コラム
  5. おやじの昼めし
  6. 記事

おやじの昼めし 京橋玉次郎のお品書き

手ごわい激辛カレー 銀座「デリー」

2010年11月23日

印刷印刷用画面を開く

Check

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

写真:デリーのカレーデリーのカレー

写真:デリーの看板デリーの看板

写真:デリーの仏像デリーの仏像

写真:デリー店内デリー店内

店で1番人気の5つ星

 か、辛い、うまいけれど辛い。あまりの辛さに、頭の上のほうがあたたかくなり、鼻水と涙がジワリと出てくる。そしゃくしていると口の中が火事のようになる。「もう少しソフトなものにすればよかったかな・・・」と軽い後悔が頭をかすめる。いや、「ここは頑張らねば」と、何の意味もなく強がってみる。カレー用にご飯はやや硬めに炊いてあるようだが、頓着していられない。急いで嚥下する。

 カシミールカレーは、メニューには「当店で最も人気のある極辛口で奥行きのあるスパイスの香り」で星五つ、とある。私にとって、初めて来た店で一番人気を食してみるというのは、碁将棋でいうなら定石のようなものだ。ひるむわけにはゆかない。仏さまだってじっと見ているし。

なぜか自分好みの味

 カシミールカレーは、玉ねぎがベースなのはもちろんリンゴ、ニンジンなどが入っているらしいが、しっかり煮込まれていて跡形もない。さらさらとしたスープ状となっている。鶏肉が2切れとジャガイモが1かけら。本格インドカレーと称するものはうまいのだが、時に胃袋に後々までもたれる場合がある。デリーのカレーにはそれがない。使っている油の量が少ないのではないかと思うが、推測の域を出ない。

 デリーの本拠地は上野にある狭い店だ。若いころから時々寄った。なぜか私の口によく合うカレーだった。数年前にも時々行った。ここ2年ほどご無沙汰だったが、ふと思い出した。上野に行く用事はないし、わざわざ出かけるのも大儀だしとぼんやり考えていたら、銀座店があるのに思い至った。

上野が発祥の地

 富山の造り醤油屋に生まれた創業者の田中さんは、戦時中は商社員としてインド地方に駐在、戦後はいろんな商売をしたが、昭和31年長期入院を余儀なくされた。残った妻の生計のためにと、中央大学の学食のコックをスカウトして、上野にカレーの店を開いた。女手の孤軍奮闘を見かねた周囲の旦那衆が、毎日食べに来て応援してくれたという。

 3年間の入院から退院した田中さんは一念発起、インドへ渡り2年間にレシピなどを本格的に学んできた。さらに日本人に合うように研究も重ねた。これ以降デリーは本格的なインドカレーの店として評判を呼ぶようになり、昭和40年には銀座にも店を出した。銀座店は席数50と、堂々の店となった。

コックの心配

 現社長の田中さん(57)から興味深い話を聞いた。上野の店には毎日来る客も少なくないという。時には日に3度来る人もいたという。そんな客がぱったり顔を見せなくなった時は、「味でも変わったのだろうか」と心配になり、コックや従業員一同でレシピを再確認し試食をしてみたという。

 余談だが、評判をとって大きな支店などを出すと、味もサービスもすっかり変わってしまうケースも多いが、ここデリーに関してはあの上野の小さな店との味の違いは私には感じられなかった。もっとも、前記のような姿勢があるから味と評判を維持していられるのだろう。

【お店データ】

店名 デリー 銀座店

中央区銀座6−3−11 西銀座ビル3F 〈地図〉 03−3571−7895

営業:〔平日〕午前11時30分〜午後9時30分(ランチ〜午後2時)

  :〔土日祝〕午前11時5分〜午後9時30分

無休

<本日食したランチ>

カシミールカレー  900円  

プロフィール

京橋 玉次郎(きょうばし・たまじろう)

 心身のリフレッシュに週2、3回スポーツジム通い。京橋・銀座・日本橋・八重洲・八丁堀界隈の雑食的な昼めし散策のほか、天気のよい日に肩の力を抜いてサイクリングに出かけるのも楽しみ。時には温泉泊まりの輪行で古い街道を走ったり峠を越えたりも。元大手マスコミに勤務、不規則で不健康な記者生活36年だった。好奇心強く少し天邪鬼。身長175センチ、A型。

検索フォーム


朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内事業・サービス紹介
  • 大人のためのグルメガイド 豊富な店舗情報やたくさんの料理写真で行きたいお店がよくわかる。

フード・ドリンク

写真

あつあつのお取り寄せラーメン(11/23)

寒くなると恋しくなるあつあつのラーメン。でも人気のお店はいつも大行列! そこで今回は、寒い中並ばなくても名店の味を楽しめる、極上お取り寄せラーメンをご紹介。自宅で全国の味を食べ比べてみてはいかが?

写真

今年はおせちもお取り寄せ!(11/16)

近年人気を呼んでいる、高級食材を詰め込んだお取り寄せのぜいたくおせち。和風、洋風、田舎風など、今年も各店が趣向を凝らした自慢の逸品が勢ぞろい。おもちと雑煮を用意して正統派に楽しむのもよし、ワインと一緒にわいわいとパーティーをするのもよし。プレゼントやお歳暮にも喜ばれること受け合いだ。