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おやじの昼めし 京橋玉次郎のお品書き

お得感のある上品な和食 日本橋「亀井」

2011年3月1日

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少々心配

 「本当にこれでいいのか!」と、余計なお世話ながら少し心配になるくらいだった。日替わり御膳の話。料理に不都合があるとか、ひどい味付けだとかいうのではない。10品の料理が美しく並んでいるうえ、ご飯はお替り自由で生卵も食べ放題という。その価格が980円。この料理の手間ひまを考えると、良い意味で少々びっくりする。

 内容は小鉢2種、サラダ、お造り、茶わん蒸し、主菜、白飯、味噌汁、香の物、卵。このうち主菜は日替わりで、この日はカレイの煮つけ、鶏の天ぷら、アラ大根からの選択。大根の煮物は好物なので迷わずアラ大根をもらった。アラは鯛だったが味付けも見た目もあっさりとしていて、関西風というのだろうかしつこくない。少量ずつの料理も上品にできていた。ランチは前述の御膳のほか1280円の海鮮丼があった。

落ち着いた小さな割烹

 一見さんだと少し緊張するかもしれないきれいな入口だが、看板の隣に価格の入ったメニューが出ているので安心だ。店に入るとインテリアも調度もなかなか落ち着いた感じで、柔らかい照明もいい。カウンターの向こうの店主も応接の若い女性やおじさんもがさついたところがない。静かに食事ができる予感がする。

 料理を待ってカウンターに座り、改めて周囲を眺める。数年前に来た記憶がぼんやりよみがえる。悪くない印象だったのは覚えているが細部は確かでない。最近は(本当は昔からだが)記憶力が怪しい。店内の雰囲気は同じような気もするし、少し違うような気もする。聞けば昨年8月に店名はそのままに寿司屋から割烹に変わったのだという。

素材は淡路島中心

 一人の女性客がカウンターで、あるいは女性同士がテーブルで、風景に違和感なくゆっくりと食事をしていた。7人のカウンターと4人掛けテーブルの半個室4、奥に6人の個室。こじんまりした静かなこの店なら、若い人も年配の人も落ち着いて食事ができそうだ。

 料理素材は淡路島のものを中心に使っている。アラ大根の鯛も淡路島産だった。関東人には淡路島の魚といってもピンとこないが、渦潮で知られる海域は海水が十分に空気に触れるためプランクトンが良く育ち、その結果うまい魚が獲れるのだそうだ。さらに同島は北海道に次ぐ玉ねぎの産地で、糖度16というメロンなみの甘さのものがとれるという。ちなみに彼の地では玉ねぎの早食い、大食い大会などもあるとか。

頑張る若い店主

 店主の五味さん(30)は関西で板前修業していたが、その頃淡路島と縁ができた。2年ほど前に東京に出てきた。寿司屋だったこの店を、昨年8月から淡路島の素材を中心とした関西割烹の店とした。前後して「淡路島活性化推進委員会」というNPOまでつくってしまった。

 というわけで、この店は魚、野菜、米、卵などを淡路島から取り寄せて使っている。東京には各地の産物を自慢する店があるが、淡路島というのはこれまで聞いたことがなかった。ランチは夜へのPRの意味もあって無理をしているらしいが、お得感のある逸品だ。若い店主の一生懸命ながんばりに、心の中で「繁盛するといいね」と声にならない声をかけながら店を出た。

【お店データ】

東京都中央区日本橋3−1−16 〈地図〉 03−3281−4741

営業:〔平日〕午前11時〜LO午後2時、午後5時30分〜LO午後10時

〔土曜〕夜のみ

日祝休み

<本日食したランチ>

日替わり御膳 980円

プロフィール

京橋 玉次郎(きょうばし・たまじろう)

 心身のリフレッシュに週2、3回スポーツジム通い。京橋・銀座・日本橋・八重洲・八丁堀界隈の雑食的な昼めし散策のほか、天気のよい日に肩の力を抜いてサイクリングに出かけるのも楽しみ。時には温泉泊まりの輪行で古い街道を走ったり峠を越えたりも。元大手マスコミに勤務、不規則で不健康な記者生活36年だった。好奇心強く少し天邪鬼。身長175センチ、A型。

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