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おやじの昼めし 京橋玉次郎のお品書き

意外ともっちりなスープ 銀座「函館らーめん 船見坂」

2011年5月24日

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あまり見かけない函館の文字

 一つの事柄も、立場によって見方や感想は様々だ。たとえばアメリカ大陸。1492年、コロンブスがアメリカ大陸を発見した時は、ヨーロッパでは「発見」と大騒ぎをした。しかし、アメリカ大陸に住んでいた先住民にすれば「発見とは何のことか」と思ったに違いない。

 銀座、歌舞伎座の裏手にあたる方角。通るたびに見かけた「函館らーめん」ののぼり。函館の文字が気になっていた。聞けば札幌の味噌、旭川の醤油、函館の塩、が代表的な北海道ラーメンなのだとか。業界では常識だそうだが、私は札幌の味噌以外知らなかった。函館の名物にラーメンがあることも、それが塩味であることも今回知った。いわば、私にとっては“新発見”だった。

名前がいい

 それにしても船見坂とは名前がいい。「両側に並木が続く広い坂道。すーっと見渡すと前方に海が見え、岸壁の船も見える。梅雨のない北海道の空はあくまで青く、さわやかな初夏の風がそよそよとほほを撫でてゆく・・・。そんな景色が目に浮かぶじゃありませんか」。フーテンの寅さんなら、そんなセリフを言いそうだ。

 昔一度行っただけの函館のややバタ臭い雰囲気と、函館山のふもとから海へ続く、緩やかないくつかの坂道を思い出す。あの洒落たエキゾチックな町並みには、なるほど味噌や醤油や豚骨よりも、少々取り澄ました感じの塩味が良く似合いそうだ。

塩そばは700円

 店を入ると右手に券売機がある。写真を見るとチャーシューがうまそうな「特塩そば」950円に気が動くのをこらえ、シンプルでベーシックな「塩そば」700円を選択。歩道ののぼりには「らーめん」と書いてあるが、券売機は「そば」とある。ま、どうでもいいことだが、のぼりに「函館そば」とあったら、多分私は蕎麦の立ち食い店と間違えただろう。

 で、わずかに迷った後ボタンを押すと、手元を見ていたおねえさんが、すかさず「塩一丁!」と厨房の二人に声をかける。味噌の注文がはいったりすると、厨房では一人が中華鍋で野菜などの具の準備を始め、他の一人が麺を茹でるべくカマに放り込む。なかなかコンビネーションが良い。厨房の中の作業などどうでもよいことなのだが、やはり職人の手さばきというのは見ていて飽きない。

やや古典的なラーメン

 塩という印象からあっさり、すっきりのスープを想像していたが、意外ともっちりしている。出汁はトリやブタなどの動物系を中心にしているそうだ。麺は細めで、縮れも少なく昔のラーメンを思い出させる素朴な歯ごたえ。さまざまな工夫をこらして個性を前面に出すラーメンが多い昨今、比較的おとなしいラーメンという印象だ。

 カウンター9席、4人掛けのテーブル2脚というスペース。午後遅くになっても、ポツリポツリと客足が絶えない。午後2時までは半ライスサービスとあった。この日観察した限りではすべて男性客だった。聞いてみたら午前4時まで営業しているという。明け方4時にラーメンを食べによる客とは、どういう人種なのだろう。大都会というのは本当にいろんな人がいて、いろんな店があるものだ。

【お店データ】

中央区銀座2−12−11〈地図〉03−5565−5541

営業:〔平日〕午前10時30分〜午前4時

無休

<本日食したランチ>

塩そば 700円

プロフィール

京橋 玉次郎(きょうばし・たまじろう)

 心身のリフレッシュに週2、3回スポーツジム通い。京橋・銀座・日本橋・八重洲・八丁堀界隈の雑食的な昼めし散策のほか、天気のよい日に肩の力を抜いてサイクリングに出かけるのも楽しみ。時には温泉泊まりの輪行で古い街道を走ったり峠を越えたりも。元大手マスコミに勤務、不規則で不健康な記者生活36年だった。好奇心強く少し天邪鬼。身長175センチ、A型。

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