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おやじの昼めし 京橋玉次郎のお品書き

でっかい中トロ切り身 日本橋茅場町「和田屋」

2011年6月28日

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写真:お店外観お店外観

写真:店内店内

写真:中トロ定食中トロ定食

写真:井戸井戸

自家製かつお醤油

 気取った店の2倍以上はあろうかという、大きな中トロの刺身が7切れ並んでいる。この定食で800円。質素な日々を送っているおやじとしては、このボリュームを見ただけで少しうれしくなる。

 大口を開けてほおばってみる。軟らかいマグロ特有のトロリとした旨味が、フワーッと口中に広がる。私の感覚では中トロというより赤身に近いが、赤身も好きだから不服はない。

 刺身につける醤油だが、テーブルには普通の醤油と自家製かつお醤油が置いてある。かつお醤油は、醤油に出汁を入れて沸かし、おいがつおをして作るといい、刺身にはこれがおすすめだそうだ。醤油として考えると少し薄い感じだが、これはこれでまろやかでうまい。

大方は常連客

 私は1時過ぎの訪問だったが、その後も何人か入ってきた。初めての店に入った客というのは、見ていてなんとなく雰囲気でわかるものだが、観察した限りではどなたも“場慣れ”した感じが見てとれた。八丁堀に近い茅場町の静かな小路、一見の客がふらりと入るというのは少ないだろう。

 毎日築地へ出向いて材料を仕入れてくる店主の塩崎さんは、この夏で店を開いて35年になる。「安くてうまい魚と、お替り自由なご飯で腹いっぱいになって欲しい」と、店の隅に炊飯器を置いて、セルフでおかわりできるようにしている。

 見ていたら、焼き魚定食を食べていたワイシャツ姿の大柄な若い男性など、大き目なご飯茶碗にてんこ盛りにおかわりをよそっていた。遅滞なく黙々と食べ進む後ろ姿を見ていると、小気味よい気分さえした。

雨の日50円引き

 勘定を払うと、次回の昼飯を50円引きますという割引券がもらえる。雨の日に行くと、さらに“雨の日サービス”で50円引いてくれるという。つまり雨の日に前記の割引券を持っていけば、計100円安くしてくれるということだ。近隣にお勤めの諸兄諸姉は覚えておいてよさそうだ。

 夜の部では、なかなか市中に出回らない銘酒、たとえば十四代などを、6月と11月の年2回提供する恒例行事も、左党の常連には評判が良いとか。店は1階が6人掛けテーブル3卓で18席。2階にも30人ほどのテーブル席があるそうだ。

無用の用あるいは余裕

 和田屋近くの桜通りの好立地の角地に、手押しのポンプが残る8畳くらいのスペースがある。植木や花壇で手入れされている。最近はとんと見かけなくなった懐かしいポンプで、「この水は飲めません」と札がかかっている。通るたびに気にかかっていた。

 無駄話のついでに日本橋で生まれて育ったという塩崎さんに聞いてみた。「ああ、同級生の女の子がいた蕎麦屋の跡だ。その家のポンプだろう」との見解。なぜ小公園のようにして残っているはわからないが、無用のものがこうしてあることで、ずいぶんとほっとした気分がする。そういう意味では役に立っているし、多分これも、物事の余裕ということの一例なのだろう。

【お店データ】

店名 和田屋

中央区日本橋茅場町3−7−9 〈地図〉 03−3664−9593

営業:〔平日〕午前11時〜午後1時30分、午後5時〜午後11時(LO午後10時)

土日祝休み

<本日食したランチ>

中トロ定食 800円

プロフィール

京橋 玉次郎(きょうばし・たまじろう)

 心身のリフレッシュに週2、3回スポーツジム通い。京橋・銀座・日本橋・八重洲・八丁堀界隈の雑食的な昼めし散策のほか、天気のよい日に肩の力を抜いてサイクリングに出かけるのも楽しみ。時には温泉泊まりの輪行で古い街道を走ったり峠を越えたりも。元大手マスコミに勤務、不規則で不健康な記者生活36年だった。好奇心強く少し天邪鬼。身長175センチ、A型。

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