2011年7月19日
本格的インドカレーというのは好きなのだが、時々その油の強さにへきえきするときがある。しかし、この日食したカレーに関しては、味は深いのにそうしたしつこさがなかった。食したのは中辛のホウレンソウがベースのチキンカレーだった。
ランチは3種類
ランチはA=950円(本日のカレーから2種)、B=850円(同1種)、C=1200円(同2種とおつまみやスープカレーのラッサムなどがつく)の3種類ある。Bの1種類のカレーを選択した。辛さは、辛口、中辛、甘口と選べる。過去の経験から、インドカレーなら中辛でも相当辛かろう、と見込んで中辛を選択。
さらにメニューを眺めていたら、150円の単品でラッサムもあった。名前だけで食したことがなかったので頼んでみた。主食は、ライスに加えナンか揚げパンのようなバトゥラが選択できる。バトゥラを食すこととした。
意外と辛くはない
辛いだろうとの予測に反し、中辛カレーはほとんど辛くなかった。ホウレンソウの味を生かすために辛みを抑えてあるのだという。それでも十分にスパイシーで味は濃厚。もっちりしたバトゥラによく合う。もっとも、そのバトゥラも最初は良いが、しばらくすると揚げた油が重たくなってきた。素直にナンにしておけばよかった。
料理が届いたときに、食べ方などもていねいに教えてくれる。この日のラッサムはミントの香るヘルシー・スープカレー。ライスにかけて食すのが普通だそうだ。そうしてみる。これがさっぱりしていて、香辛料がきいた汁かけご飯のようで、なかなかに良い。
薬膳効果もあるとか
ダクシン(DAKSHIN)とは、サンスクリット語で「南」という意味。南インドの料理を提供するということからこの店名にしたという。この店で扱う料理は、薬膳効能もある南インドの伝統的なアユール料理。
スパイス、ニンニク、ショウガ等が多く使われていて、身体を温め発汗作用を促すので、夏は汗をかいて体温を下げ、冬は風邪の予防にもなる。また、野菜や豆などを使った低カロリー料理で、身体の内側から綺麗になり美容にも良いとか。説明しながら、全てのカレーのベースになるという、ダクシン自慢の真っ赤なオリジナルソースを見せてくれた。見ただけでは何とも分からない。でも、辛そうな色合いに味見をする勇気はなかった。
漂う“初々しさ”
料理の説明や食べ方は、ブルーの魅力的なドレスをまとった社長のラターさんが説明してくれたが、大変流暢な日本語にびっくり。聞けば、インドから日本に来て12年。最初はIT企業、次いで某自動車会社に勤め、通訳もしていたという。目から鼻へ抜けるような聡明さを感じさせる才媛と見えた。
カウンターの向こうの厨房は、インド人のコックが数人。客にもインドの人の姿が見えた。つまり母国の人の舌にも合格した味、ということなのだろうか。
八重洲ブックセンターの裏側、さる6月21日に当欄で紹介したソフィアがあるビルの地下にあたる。65席と結構広い室内で、昨年の10月にオープン。まだ店内の雰囲気にどことなく“初々しさ”、有り体に言えばぎこちなさのようなものが感じられる。これが徐々にこなれたものになってゆくのだろうが、余裕があればそんな変化の観察もランチめぐりの一興だ。
DAKUSHIN(ダクシン)
中央区八重洲2−5−12 〈地図〉 03−6225−2640
営業:〔平日〕午前11時〜午後3時(L.O.2時30分)、
午後5時30分〜午後11時(L.O.10時)、土日祝は午後10時(L.O.9時)
無休
<本日食したランチ>
Bランチ 850円+ラッサム150円
心身のリフレッシュに週2、3回スポーツジム通い。京橋・銀座・日本橋・八重洲・八丁堀界隈の雑食的な昼めし散策のほか、天気のよい日に肩の力を抜いてサイクリングに出かけるのも楽しみ。時には温泉泊まりの輪行で古い街道を走ったり峠を越えたりも。元大手マスコミに勤務、不規則で不健康な記者生活36年だった。好奇心強く少し天邪鬼。身長175センチ、A型。
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