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おやじの昼めし 京橋玉次郎のお品書き

癖の少ないジンギスカン 銀座「まつじん」

2011年12月13日

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スタッフが焼き方を教えてくれる

 まつじんは北海道で手広く展開している店だ。羊肉の印象として臭いを覚悟して入ったが杞憂だった。1フロアで65席という広々とした清潔感のある店内は、各テーブルに無煙のロースターが完備されているので煙も少ないようだ。ラムランチ1100円を選んだ。内容はラム180g、野菜、ライス、味噌汁、サラダ、デザートがつく。年配の優しそうなスタッフが焼き方を教えてくれた。

 まず店特注の南部鉄の半円球型鍋の頂上をあけておいて周囲に野菜を並べる。野菜の上にたれをジャブジャブかける。ジュワーッと甘いような湯気が上がる。肉はすでに特製たれで味がついているから、そのまま中央に載せればよいのだそうだ。焼けた肉汁が流れて野菜にからみ野菜も一層うまくなるとか。

たれは秘伝

 羊の肉は独特の臭いに好悪が分かれるところだが、ここのそれは思ったほどでない。硬いという先入観もあったのだがこれも意外と柔らかい。独自のたれに漬けておいたことで柔らかくなるうえ、臭みも抑えられるのだという。

 そのたれはリンゴや野菜、スパイスなどで作った「秘伝」で、特定の人が知っているだけ。札幌の店長をしていて銀座進出と共に上京してきた店長の稲村智裕さん(34)も詳しい調合は教えてもらっていないという。銀座店の肉も北海道でたれに漬けたものを使っている。少し甘めで濃いめの味付けの肉はごはんとよく合う。

 料理の印象からだろうか、客層は男性客が多いという。北海道出身者が「懐かしい」とよく来るそうだ。この日観察したところ、女性の一人客の姿もあった。たっぷりの野菜やデザート、それと洒落た店内の雰囲気は結構女性にも受けそうな感じだ。

 出口のところに小さな羊のぬいぐるみのようなものがあった。可愛い。食べる前に見なくてよかった。

忘れていた名前

 ところで、ほとんど忘れていたジンギスカンという食べ物で思い出したことがある。今から40年ほど前になる学生時代のこと、つてを頼って北海道の旭川市の郊外で土建屋さんの2階に、家族同様に住み込みさせてもらって1か月ほど働いたことがある。人々は親切で時代はのどかだった。その給料で道内を一周してきた。1年生の夏休みだった。

 一緒に働いていた従業員の人の家に呼ばれ、生まれて初めてジンギスカンというものをごちそうになった。何を食ってもうまいと思う年頃だった。貧乏学生に肉は貴重品だった。山のような羊肉を前に大層感動したのを覚えている。

びっくり後日談

 これも余談だが、10年程前ふと思い起こして、札幌出張の折に足を延ばして30余年ぶりにその土建屋さんを訪ねた。と、その日がなんと、私を息子の友人のように扱ってくれ、三度の食事の世話をしてくれたおかみさんの通夜だった。

 奇しき偶然に2代目の社長も私も大いに驚いた。一緒に写った当時の写真など見せてもらい、しばし昔話をしてから失礼した。不思議な出来事だった。 

【お店データ】

店名 まつじん

中央区銀座5−9−5 〈地図〉 03−3572−2989

営業:〔平日〕午前11時00分〜午後3時(LO2時30分)、午後5時〜午後11時30分(LO11時)

    年末年始休み

<本日食したランチ>

ラムランチセット 1100円

プロフィール

京橋 玉次郎(きょうばし・たまじろう)

 心身のリフレッシュに週2、3回スポーツジム通い。京橋・銀座・日本橋・八重洲・八丁堀界隈の雑食的な昼めし散策のほか、天気のよい日に肩の力を抜いてサイクリングに出かけるのも楽しみ。時には温泉泊まりの輪行で古い街道を走ったり峠を越えたりも。元大手マスコミに勤務、不規則で不健康な記者生活36年だった。好奇心強く少し天邪鬼。身長175センチ、A型。

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