現在位置:
  1. 朝日新聞デジタル
  2. ライフ
  3. 食と料理
  4. コラム
  5. おやじの昼めし
  6. 記事

おやじの昼めし 京橋玉次郎のお品書き

沖縄そばは南国の味 銀座「ちゃんぷるぅ家」

2012年3月19日

印刷印刷用画面を開く

Check

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

写真:  

写真:  

写真:  

写真:  

 とんこつと鰹節でとったと思われる澄んだスープを口に含む。縮れた太い麺はモチモチした歯応えで独特の食感。「そうそう、これが沖縄・・・」と一人うなずくことになる。

島唄に迎えられて

 そんな沖縄そばを食べたくなった。陽気な土地柄を感じさせるにぎやかな看板を横目に地下への階段を下りる。島唄というのだろうか、沖縄民謡が流れている。店内は真ん中に若者数人が立ち働くキッチンがあり、手前がカウンターになっている。入って左が禁煙スペース、右が喫煙スペースとなっている。意外と広い。80人くらいは収容できるようだ。

 ご承知のように沖縄そばにソーキ(豚のあばら肉)がのっているのがソーキソバ。銀座のこの店のソーキそばは、単品680円とご飯がつく定食800円があった。そばだけで十分に思ったので単品を頼む。が、結果として少々物足りなく、後になって定食が正解だったかと少し後悔した。

ああ、沖縄の味だ

 本土の蕎麦とも違い、ラーメンとも違う。さっぱりしているのだがコクのある特有の味わいだ。これに、泡盛に唐辛子を漬け込んだ大好きな辛みスパイスをたっぷり振りかける。この店のスパイスは白い唐辛子が入っている、と思ったら、店長の平良幸寛さん(37)が「元は赤唐辛子を漬けたのだが、しっかり漬かると色が抜けるんです」。

 縮れ麺は太くて扱いやすそうなのだが、うまく箸でつかめなかった。「いよいよ手先がおぼつかなくなったか!」と少しうろたえた。しかし落ち着いて再度挑戦してみると、竹製の箸が曲がっていることに気付いた。熱湯で消毒すると、時々ゆがみが出るのだという。やれやれびっくりした。

蕎麦粉の入っていないそば

 沖縄そばという名称を使うには少々のトラブルがあったようだ。沖縄が本土に復帰してから4年後の昭和51年(1976年)、公正取引委員会から「蕎麦粉が30%以上入っていなければそばではない」と注文がついた。沖縄そばは小麦粉をかんすいが素材でそば粉は1%も入っていない。しかし、県民に長く親しまれた名称だからと、昭和53年にようやく使用が認められたとか。

 だとすると中華そばという名称がつかわれなくなったのも関係があるのだろうか、などと思は浮遊する。そばをすすりながら周囲を見渡すと、天井のいたるところにヘチマがぶら下がっていた。もちろんイミテーションだ。一般的にはヘチマよりゴーヤのほうが沖縄のイメージなのだが・・・。

40年余前のことごと

 学寮にいた仲間に沖縄からの「留学生」が数人いた。1970年前後、沖縄はパスポートのいる外国だった。実家から彼らの所へ送られてきた味噌漬けの豚肉がうまいうえに珍しく、届くたびにみんなであっという間に食してしまったものだ。方言や特徴的な抑揚、文化の違いなどが面白くて飽きずに話し、かつあきれるほどに毎日良く遊んだ。

 10年ほど前に沖縄に出かけ、久しぶりに声をかけたら、みな立派な開業医や勤務医になっていた。沖縄そばをゆるゆる食すうちに芋づるのように様々なことが思い出された。漠という動物は夢を食うそうだが、おやじは時に思い出を食う。

【お店データ】

店名 ちゃんぷるぅ家

中央区銀座3−4−16 〈地図〉

03−5524−2163

営業:〔平日〕午前11時30分〜午後3時、午後5時〜午前0時(L.O.11時)

  :〔土日祝〕午前11時30分〜午前0時(L.O.11時)

無休

<本日食したランチ>

ソーキそば 680円

プロフィール

京橋 玉次郎(きょうばし・たまじろう)

 心身のリフレッシュに週2、3回スポーツジム通い。京橋・銀座・日本橋・八重洲・八丁堀界隈の雑食的な昼めし散策のほか、天気のよい日に肩の力を抜いてサイクリングに出かけるのも楽しみ。時には温泉泊まりの輪行で古い街道を走ったり峠を越えたりも。元大手マスコミに勤務、不規則で不健康な記者生活36年だった。好奇心強く少し天邪鬼。身長175センチ、A型。

検索フォーム


朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内事業・サービス紹介
  • 大人のためのグルメガイド 豊富な店舗情報やたくさんの料理写真で行きたいお店がよくわかる。
  • ポンパレ

フード・ドリンク

写真

春を味わうお花見スイーツ(3/13)

肌寒い風の中にも春の気配を感じられるこの季節、一足お先にお花見スイーツを食べて、春気分を楽しんでみてはいかが? 定番の3色だんごをはじめ、桜花をかたどった最中や、花をそのまま使ったゼリーなど、春らんまんの工夫が凝らされた逸品が勢ぞろい! 見た目のかわいらしさに加え、その味や香りにワクワクドキドキ。ひと口食べれば、春の日差しのような朗らかな気持ちになれるはず。

極上の豆腐をお取り寄せ!(3/6)

栄養価が高いのに、カロリーは控えめ。畑の肉ともいわれる大豆から作る「豆腐」は、今や世界的な人気を誇る優れた食材だ。今回は原料や製法にこだわった定番の絹ごし豆腐をはじめ、島豆腐や豆腐のみそ漬けなど珍味もご紹介。そのまま薬味としょう油で、煮込んで鍋や湯豆腐で、ほかの食材と合わせていためものや焼きもので、和洋中さまざまなレシピでご賞味あれ!