現在位置:asahi.com>食>コラム>スイーツの心得> 記事 スイーツとコスメの遠くて近い関係2007年04月11日 マカロンが花盛りである。春はマカロン……、そんな感じだ。
まずは「ホワイトデーにはマカロン」という図式が出来上がりつつある。「ピエール・エルメ」がホワイトデーに合わせて限定マカロンセットを販売すれば、「ラ・メゾン・デュ・ショコラ」もホワイトデー前のタイミングで新レシピのマカロンを発表した。実際、「サダハル・アオキ」のディレクター横山聡さんは、「今年のホワイトデーは、マカロンばかりが売れましたね」と言っていた。 「バレンタインにショコラ、ホワイトデーにマカロン」が決まり事になったら、世の男性陣は迷うことなくマカロンを選ぶに違いない。正直なところ、男性陣は、ホワイトデーに何を贈ればよいのか、見当がつかずにいるだろうから。あるショコラティエが言っていた。「女性にとっては選ぶことがイベント。長時間かけてチョコを選ぶ。男性は違う、はっきり言って何でもいい。だから、お返しは同じ品を10とか20、まとめ買い」 ホワイトデーにはマシュマロという説もあった。私はいつも疑問に思っていたけれど。「なぜ、マシュマロ? 誰が言い出したのよ?」。だって、マシュマロを贈られてうれしい人がいるはずがない。ふにゅふにゅとしたとらえどころのない食感と味わい。口の中で溶けていく実感のなさ。 ところが、そのマシュマロが最近、スポットを浴び始めた。ホワイトデーの贈り物としてではない。ホテル・スイーツとしてだ。「帝国ホテル」「パーク ハイアット 東京」「ホテルオークラ東京」などが出している。マカロンとマシュマロを並べて売るケースも多い。マシュマロというとアメリカンなイメージがあるけれど、最近増えているのは、フランス菓子としてのマシュマロ、つまり「ギモーヴ」だ。 「ギモーヴ」は、フランス菓子の世界では極めてポピュラーなアイテムである。四角くカットして売られることもあるし、ながーい棒状を三つ編みにして売られることも。日本人がフランス菓子と思って食べているケーキなんかより、よほどフランス人にとってなじみが深い。マカロンがフランス菓子の高級版シンボルとすれば、ギモーヴは庶民版シンボル。フランス好きとしては、こういうお菓子の普及こそ、フランス菓子の真の浸透が感じられてうれしい(個人的好き嫌いはともかく)。 マカロンとギモーヴを並べて見ていたら、ある一つのキーワードが思い浮かんだ。「コスメティック」。「アンリ・シャルパンティエ」が独自に出しているニュースペーパーのマカロンの写真が象徴的だった。まるで化粧品の広告である。マカロンがアイシャドーに見える。そして帝国ホテルのギモーヴはほら、化粧用のパフに見えるでしょ? コスメティックなスイーツのもう一つの事例は、フレーバーだ。バラの香りのお菓子が急増中なのである。視覚的にも味覚的にも、スイーツのコスメ化(?)は進行している。映画「マリー・アントワネット」で使われたパリの「ラデュレ」のお菓子はまさにどれもコスメティックという言葉がふさわしい。 女心をくすぐる条件を形にしていくと、似てくるのだろうか? パステルカラー、透明感があって、ふんわり軽くて、ウエットじゃない質感、端正で……。 そうそう、最後にもうひとつ。ロレアルがヘアカラーに使っているカラー用語はずばりスイーツ用語です。
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