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今が旬!冬サバのバッテラを列車風寿司店で

写真:バッテラ=撮影:岸隆子拡大バッテラ=撮影:岸隆子

写真:にぎり12カン=撮影:岸隆子拡大にぎり12カン=撮影:岸隆子

写真:トロッコ列車風の個室=撮影:岸隆子拡大トロッコ列車風の個室=撮影:岸隆子

写真:店内には鉄道グッズ=撮影:岸隆子拡大店内には鉄道グッズ=撮影:岸隆子

写真:ビュッフェ風の部屋=撮影:westplan拡大ビュッフェ風の部屋=撮影:westplan

写真:座敷はお座敷列車風=撮影:westplan拡大座敷はお座敷列車風=撮影:westplan

 冷たい北風が吹くこの季節は、脂がのった冬サバの旬でもある。大阪では、シメサバなどの押し寿司を「バッテラ」と呼ぶ。小舟に似た形からポルトガル語でそう呼ばれたといううんちくはさておき、バッテラを求めて師走の町へ繰り出した。出かけた先は、大阪国際空港(伊丹空港)に近い蛍池。駅からすぐの場所に、1956年創業の庶民的な寿司屋がある。

 「スシDINER二葉」。地元で愛されて56年、2代目が継いで、場所を移転したのを機に店名に横文字を入れてモダンな雰囲気に変えた。創業以来の定番人気であるバッテラは、サバの他に季節によってアジや小鯛が登場する。絶妙な酢の効かせ方が魚の味を引き出し、まろやかで芳醇な味が口の中に広がる。長い付き合いがある中央市場の専門店で店主が厳選した魚は、鮮度も味も信頼できる。

 年末12月28日から31日にかけては、サバの片身をまるごと使った松前寿司の予約注文が入る。毎年必ず注文する常連の中には帰省の手土産にという人もいて、年末年始に家族が集まる日のごちそうとして食卓に並ぶのだろうと想像できる。通常のサバ寿司よりも身が厚いため、味がなじむのに時間がかかり、作った翌日くらいがいい具合に味が出ておすすめだそうだ。少し酢飯がかたくなったらホイルに包んでオーブンで軽く焼くとまた美味になる。お酒を飲んだあとのシメとしてもちょうど良い加減の味だ。

 さて、実はこの店、寿司以外にもユニークな名物がある。店内は3つのスペースに別れていて、そのどれもが鉄道をテーマにしているのだ。入ってすぐの個室は、テーブルが2つ並ぶレトロな雰囲気。直角椅子に座って丸窓から見えるのは阪急電車、列車の音をBGMに流すこともできるこの部屋を、常連は「トロッコ列車の個室」と呼んでいる。白い壁にオレンジの椅子というビュッフェ風のモダンな部屋、そして掘りごたつ式の座敷は、鍋を囲んで宴会ができるお座敷列車風。駅員さんの帽子や駅の名前を刻んだプレートなど、飾ってあるレアなグッズも鉄道がらみだ。「旧国鉄時代の急行列車キハ58系気動車の音が特に好き」という店主は、もちろん大の鉄道ファンだ。

 昼はにぎり寿司に吸い物、デザートがついたセットでママ友ランチ会、夜はカルパッチョやサラダなどの一品料理と寿司を楽しむ男性客。そして座敷でくつろぐ家族連れなど、幅広い層に利用されている。回る寿司屋より落ち着いて食事ができて、値段が書いていない寿司屋のようにドキドキせず、カジュアルに美味しい寿司を楽しめる店だ。

 さて、バッテラに話を戻すと、店主いわく「今年のサバは脂がのってくる時期が例年より遅かった」のだそう。この流れでいくと、もしかしたら例年より長く2月末頃まで、うまみたっぷりの肉厚のサバを楽しむことができるかもしれない。

<メニュー>
にぎり12カン 1,575円
バッテラ 1本6カン 400円
寿司屋のカルパッチョ 750円
ランチセット 1,000円〜
お鍋de忘年会・寄せ鍋(付きだし・寿司・デザート付) 3,500円
生ビール480円
焼酎 420円〜

<店情報>
スシDINER二葉
06−6841−5531
豊中市螢池中町1−3−16
11:00〜14:30(L.O.14:00)、17:00〜22:00(L.O.21:00)
火休(祝の場合営業、翌休)

<取材/松田きこ(ライター。編集プロダクション「ウエストプラン」代表)>http://www.west-plan.com/

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