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コラム「ワインの歳時記」

桜と楽しむ“旬”のワイン、ボージョレ!

2007年04月01日

 数年ほど前から桜の季節にあわせたタイムリーなイベントが開かれています。フランスのボージョレワイン委員会とフランス食品振興会(SOPEXA)主催の“ボージョレ桜キャンペーン”で、桜満開の春を彩る風物詩として定着してきました。

写真陽気なボージョレ委員会のメンバー
写真夜桜の下で個性あふれるボージョレを

 今年は4月2日(月)と3日(火)、白金台の『八芳園』で予定されています。八芳園には、「八方から眺めて美しい」という意味が込められているそうですが、広い庭園の桜はどこから見てもきれいで、ライトアップされた園内のソメイヨシノや枝垂桜などの風情は実に見事です。

 園内にはボージョレ地区の「ボージョレ」から「クリュ・ボージョレ」までのワインが勢ぞろいしています。参加者は各ブースに立ち寄り、それぞれのワインを味わいながら庭園を散策していくのですが、幻想的な夜桜効果もあり、お花見気分はいやが上にも盛りあがります。

 近年はEU(欧州連合)の協力もあり、ドイツの「モーゼル・ザール・ルーヴァー地区」のワインもこのキャンペーンに加わりました。甘味と酸味のバランスが絶妙なモーゼルワインはドイツを代表する品種リースリングから造られています。

 ●優しさを感じさせるフルーリー、ボディのモルゴン、長熟なムーラ・ナ・ヴァン

 ブルゴーニュ地方の最南端にあるボージョレ地区は、“土壌”によって南北に大きく2分されています。砂質土壌の南部からは、軽快で飲みやすい「ボージョレ」、「ボージョレ・シュペリュール」が。一方、花崗岩(かこうがん)質が主体の北部からは、格上の「ボージョレ・ヴィラージュ」や、特級畑に相当する「10のクリュ・ボージョレ」が産出されます。

 すべてのボージョレは、果皮が黒くて果汁が白い「ガメイ種(ガメイ・ノワール・ア・ジュ・ブラン)」から造られていますが、特に花崗岩質土壌との相性が良いので、「ボージョレ・ヴィラージュ」や「クリュ・ボージョレ」のほうが、ぶどうの個性をより反映したスタイルのワインになります。

 「10のクリュ・ボージョレ」は、北から「サン・タムール」、「ジュリエナス」、「シェナス」、「ムーラ・ナ・ヴァン」、「フルーリー」、「シルーブル」、「モルゴン」、「レニエ」、「ブルイィ」、「コート・ド・ブルイィ」の順に位置しています。フランスのワイン法は、「土地の名前=ワインの名前」が基本なので10の産地は“ワイン名”であり、村名をラベルに表示しています。

 “愛の聖人”という名の「サン・タムール」、“ジュリアス・シーザー”の名に由来する「ジュリエナス」、ルイ13世のお気に入りだった「シェナス」、長熟タイプの「ムーラ・ナ・ヴァン」、“花”という名のフェミニンな「フルーリー」、繊細で果実味のある「シルーブル」、ボディのある「モルゴン」、一番新しいクリュの「レニエ」、色調も濃く滋味のある「ブルイィ」、そして、落ち着いた味わいの「コート・ド・ブルイィ」。

 ボージョレワインの微妙な違いを体感できるチャンスです。桜花の季節には、“個性あふれるボージョレワイン”と、“春風を連想させるモーゼルワイン”を極めてみてはいかがですか。

〈お薦めワイン〉

■ボージョレ

  • ジョルジュ・デュブッフ社 ボージョレ、サン・タムール
  • ラブレ・ロワ社 ボージョレ
  • ジョセフ・ドルーアン社 ボージョレ・ヴィラージュ
  • ピエール・アンドレ社 ボージョレ・ヴィラージュ
  • モメサン社 ジュリエナ
  • ラピエール・エ・パカレ シェナス
  • ルイ・ラトゥール社 ムーラ・ナ・ヴァン
  • J・フェヴレ社 フルーリー
  • ルイ・ジャド社 シャトー・デ・ジャック・ムーラ・ナ・ヴァン
  • ドメーヌ・マルセル・ラピエール モルゴン

■モーゼル・ザール・ルーヴァー

  • マクシミーン・グリューンホイザー ヘレンベルク リースリング(シューベルト家)
  • シャルツホーフ・リースリング・カビネット(エゴン・ミュラー家)

プロフィール

青木 冨美子(あおき・ふみこ)
慶応義塾大学卒業。(社)日本ソムリエ協会機関誌編集長http://www.sommelier.jp。NHK、大手洋酒メーカーを経て、現在、フリーランス・ワインジャーナリスト。1990年(社)日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー資格取得。著書に『おいしい映画でワイン・レッスン(講談社刊)』協力執筆『ワインの事典(柴田書店)』監修『今日にぴったりのワイン(ナツメ社)』など。女性誌への執筆、各種企業向けワイン講師のほか、現在、昭和女子大学オープンカレッジの講師として活躍中。個人のBlogは『青木冨美子の公式Blog』

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